獣が十匹 ページ11
「よっ。A」
「朔夜！？ど、どうしたの急に」
「どうしたのって...お前に参考書借りてただろ。返しに来た」
平然と笑う朔夜。
ああ、確かに貸してたっけ。
というか、何でいつも通りの事に緊張してるんだろう。
無駄にドキドキしている。
「わざわざありがと！じゃ、そゆ事で.....」
「待てよ」
私が家の中にUターンしようとすると、腕を引かれた。
咄嗟に朔夜の方を見ると、息がかかる位顔が近づいていた。
あれ、朔夜ってこんなに顔綺麗だったっけ.....。
「A、お前昨日どこいった行ってたんだよ？」
「え？えーっと....ら、ライブ！」
「ライブ？誰の？」
「ぇ、っと、う...浦島坂田船っていう歌い手さんのライブ.....」
「ふーん....昨日帰ってきた？」
そう言われて思わずフリーズした。
何で帰ってきてない事知ってるの。
まあでもそんな事は聞かない。
「え？帰ってきたけど...どうして？」
「いや、ならいいんだけどさ。昨日夜遅くに来たのに居なかったから」
「あー、昨日夜遅くなっちゃったんだよね....」
朔夜に平気で嘘をつく。
これ位ならいいよね？それに相手は幼馴染みだし。
「そ。なら良いや」
「うん、ありがとね.....って、わぁ！？」
何故だか分からないけれど、腕が引っ張られて、グラッと視界が歪み、あ、これ倒れるなって思ったら、
「ねぇ、何してんの」
低くて心地よい声が鼓膜を震わせた。
「志麻、さん...！？んぐっ..」
「ね、君さ、この子の彼氏？」
「....え？は？いや、違うけど....」
「あっそ」
志麻さんに口を塞がれているから、話せない。
そのまま扉を閉めた志麻さんは、私をベットまで連れていき、押し倒した。
「ねえ、誰彼奴」
「え、っと、幼馴染み....です.....」
「...あんなかっこいいのが幼馴染み？本気？」
「え？はい、そうですけど....」
「そっか。良かった.....」
安心したのか、志麻さんは、私を押し倒している手を少し緩めた。
「ね、我が儘言ってもいい？」
「我が儘？何ですか？」
今思えば、その一言がいけなかったのかもしれない。
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ハルヒ(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年2月14日 1時) (
レス) id: 39dbe5e930 (このIDを非表示/違反報告)
瀬菜(せな)@こたぬき(プロフ) - ゆゆたそさん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: 4540c0c235 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆたそ - この作品好きです！これからも頑張って下さい！更新待ってます！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: 6418246606 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬菜(せな) | 作成日時：2019年1月27日 10時
