5. ページ19
うらたside
まーしぃとある場所に来た....というか、連れてこられた。
ここは....
「公園?」
「そ。覚えてへん?」
「来た事はある気がする....けど」
「じゃあ教えたるわ。一年前のあの日、うらたさんが坂田の事を忘れる前にあった出来事を」
.
.
『あ、あのさっ!坂田!』
『ん?どしたん?』
『俺....っ、坂田の事...が、....好き.....』
坂田をこの公園で呼び止め、告白する俺。
『...ふぇ?』
『俺は....料理とか......出来ないし、嫉妬とか....すっごい..する....し。全然坂田の為に出来る事なんて何もないかもしれないけど』
『.......うん』
『坂田と...付き合いたい。坂田の......彼女になりたい』
『....うん........』
『駄目....かな?』
『.....うらさん』
ぎゅっと、坂田が俺を抱きしめる。
『さか....』
『うらさん、俺もうらさんが好き』
『....えっ!?それ...本当?』
『本当やで。やから...俺の、彼女になって下さい』
『...っ、はい...っ....』
嬉しくて、泣いてしまう俺。
すると、
『おー、遂にくっついたか』
『え、もう出ちゃうんですか!?』
『え、まーしぃ?センラ?』
『もしかして...見てた?』
『ばっちり』
まーしぃとセンラが。
『うわぁぁああ、恥ずかしい......』
『お?照れてるん?』
『照れてなんか.....!』
『まぁまぁ、二人共。おめでとうございます』
『ん....ありがと.........』
.
.
全部、思い、出した。
一年前のあの日に失われた記憶が、戻ってきた。
俺は、坂田の彼女で、坂田は、俺の一番大切な人........。
「思い出した...?」
そう言うまーしぃが、悲しそうに笑っていたから、罪悪感で泣きそうになった。
「まーしぃ...ごめん......ごめんなさい....」
「謝る必要は無いで、はよ坂田の所に行ってや?俺がまた奪っちゃうで?」
「.....!...うん。.......坂田の所行ってくる」
「おう。行ってらっしゃい」
俺は、坂田の家へ急いだ。
志麻side
うらたさんが走っていった道を見つめる。
まぁ、何かもう、すっきりしたし。
後悔は無いよ。
今日は....俺とうらたさんが、付き合って一年記念日.....じゃなくて。
「うらたさんが、幸せになれた記念日だね.........」
俺が居る公園は、微かに薔薇の香りがした。
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メイリー - もう……えっと……ありがとうございます…!!語彙力に大ダメージがいくほど、すっごく素敵なお話でした!! (2019年12月28日 22時) (レス) id: 5870958d28 (このIDを非表示/違反報告)
瀬菜(せな)@こたぬき(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます!短いお話でしたが、そう言ってもらえて嬉しいです! (2019年2月4日 7時) (レス) id: 4540c0c235 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 良い話でした!!何回も胸が締め付けられましたー。ありがとうございました! (2019年2月4日 1時) (レス) id: 3a7b075e71 (このIDを非表示/違反報告)
瀬菜(せな)@こたぬき(プロフ) - 桜雨さん» コメントありがとうごさいます!凄く励みになります!これからも頑張ります! (2018年12月19日 6時) (レス) id: 4540c0c235 (このIDを非表示/違反報告)
桜雨 - 面白くて良い設定ですね!続き待ってます!! (2018年12月18日 22時) (レス) id: c16785dbd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瀬菜(せな) | 作成日時:2018年12月16日 16時