0.何で、君が。何で、俺が。 ページ1
ドッカーン!!!!
凄まじい音が聞こえ、体に衝撃が走る。
爆発したんだなぁ、とぼんやり理解しながら、意識が薄れていく。
呼吸が、出来なくて、苦しくて。
でも、隣には、
君も、横たわっていた。
「______た、___かた、坂田!」
「はっ....」
聞きなれた友人の声で、俺は目を覚ます。
知らない天井....ここは病院か。
重く怠い体を起こしながら、自分の生存を確認する。
俺、生きてたんだ。
あれだけ大きな音がする爆発に巻き込まれ、生き残る人なんてそうそう居ないのでは無いか。
そう考えながら、病室の隅っこにあるテレビに目をやると、
[都内の遊園地で爆発 数百人もの死傷者が]
の文字。
やっぱり。
多くの人が、亡くなったんだ。
「坂田ー?どうかしたん?」
「センラ....いや、何でも無い」
「あぁ、テレビ?」
「うん....」
俺がテレビを見て、何を思っているか察したのか、センラとまーしぃの二人はこれ以上詮索してこなかった。
そして、まーしぃが、俺の隣のベッドに目線を移した。
「ほら、彼女も無事やで」
その言葉と共に、俺も隣のベッドに目線を移す。
そこには、俺らの大切な仲間であり、俺の彼女、うらさんがすぅすぅと寝息を立てながら眠っていた。
「うらさん......!」
「無事で良かったなぁ」
「さっき目覚ましたんや.....けど」
「けど?」
「..............」
言葉に詰まってしまうまーしぃ。
代わりにセンラが説明し始めた。
「あのな、坂田。落ち着いて聞いて欲しいんやけど」
「何?」
「.....うらたんが」
「?」
「......うらたんが、坂田の事、忘れとるんよ」
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メイリー - もう……えっと……ありがとうございます…!!語彙力に大ダメージがいくほど、すっごく素敵なお話でした!! (2019年12月28日 22時) (レス) id: 5870958d28 (このIDを非表示/違反報告)
瀬菜(せな)@こたぬき(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます!短いお話でしたが、そう言ってもらえて嬉しいです! (2019年2月4日 7時) (レス) id: 4540c0c235 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 良い話でした!!何回も胸が締め付けられましたー。ありがとうございました! (2019年2月4日 1時) (レス) id: 3a7b075e71 (このIDを非表示/違反報告)
瀬菜(せな)@こたぬき(プロフ) - 桜雨さん» コメントありがとうごさいます!凄く励みになります!これからも頑張ります! (2018年12月19日 6時) (レス) id: 4540c0c235 (このIDを非表示/違反報告)
桜雨 - 面白くて良い設定ですね!続き待ってます!! (2018年12月18日 22時) (レス) id: c16785dbd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瀬菜(せな) | 作成日時:2018年12月16日 16時