-21- YG ページ21
俺は 家に着くなり ソファに倒れ込んだ。
明かりも付けず 、
聞こえるのは 俺の 息をする音。
たまに ため息。
そして
涙をすする音。
YG「...なんでっ..なんだよ」
あいつは 俺に気付くと思った。
とびきりの 笑顔で 俺に抱き付いてくれると思った。
ようやく 会えたのに、
Aは 怯えた目で 俺を見た。
そりゃ7年ぶりに会ったし お互いに 19歳と20歳。
成人もした。
子どもだった 俺らが 大人になったんだ。
でも 俺は 一目でAだと分かった。
11歳の頃 父が薬の大量摂取により 交通事故を起こした。もちろん 誰かを殺したかったんじゃない。
ただ、父は精神的な病気だった。
相手は亡くなり、
父は生き残った。
父は 罪を否認することなく 懲役刑なる。
元々 母がいなかった俺は ひとりぼっちになった。
兄とも離れ離れに。
住んでいた地域では 俺と兄に あるあだ名が付いた。
「おい、殺人犯の息子」
マスコミに 追いかけ回される日々。
俺も兄も 精神的にズタズタだった。
そして 父の知り合いがある日 訪れてきた。
彼は言った。
「君たちは 絶対にお父さんが殺人犯だと言ってはいけないよ。しばらくは 自分の事も話さないこと」
そう 言われ、兄と俺は 別の施設に送られた。
俺は 大邱の端っこ。
兄は釜山だったかな？
施設の人も
俺が殺人犯の息子だと言うことは知らなかった。
病気が基での
交通事故ということもあり
マスコミはすぐに引いた。
おかげで 俺と兄は 有名人にならずに済んだ。
だから 俺は ここの施設から再出発した。
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作者名：MIN | 作成日時：2015年5月9日 0時
