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影菅 ページ4

『ブリキノダンス』自己解釈

***

皆は、後に『ブリキノダンス事件』と呼ばれた事件を知っているだろうか?
反乱で奪われた姫を、その家来が命懸けで助け出した話である。
今、家来はその助け出した姫の要望で姫の旦那となり、今も暮らしている。

少し、昔の話をしようか。

***

烏野王国。
国王大地とその嫁潔子、息子(次期国王)の龍之介、娘に仁花。
実は大地国王にはもう一人、妊娠・出産をすることの出来る特殊な息子が居た。
その息子の名こそがブリキノダンス事件で拐われた姫──孝支である。
家来には、名将と呼ばれる旭、夕、蛍、忠と、新米の翔陽、後に姫を助け出すことに成功した飛雄が居た。

幸せ一杯の王都にある日、事件が巻き起こる。

***

烏野王国で過ごす青年・徹は、孝支姫に惚れていた。
過去、住居がなく倒れていた徹を救ったのが他でもない孝支姫だったのである。

『そこの方、大丈夫ですか?』

皆が蔑んだ徹に掛けられた優しい言葉。
その言葉に徹は恋をしたのである。

「ねぇ、孝支姫を奪っちゃっても良いかな?」
「は?お前、何言ってるんだよ。死ぬぞ」

徹が親友の一に相談したが、一の答えはいつも「死ぬぞ」だった。

烏野王国は弱小国家とは言え王都であることに変わりない。
警備が厳しいのは目に見えていた。

「大丈夫。俺には俺のやり方があるから」

徹は謎の言葉を残し、一を置いて何処かへ行ってしまった。

***

恋を叶えたい。
それが王都に逆らうことでも、この思いだけが徹を覆い尽くしていた。

あの日徹と孝支姫が出会った場所に自分で墓を掘り死装束で王都へ向かった。

「これで孝支姫と一緒に居られるなら──」

徹が微笑む。
唇が不気味な弧を描いた。

***

書物を読んでいたらうたた寝してしまったようだ。
うわ、と小さく呟いて目元を擦る。
もう一度書物を広げるも、面白くなくただ欠伸だけが溢れてくる。

「もう一回寝ようかな………」

睡魔に負け、書物を閉じる。
淡い水色のドレスを翻し、書物を仕舞おうと立ち上がった、まさにそのとき。

「………うわっ!」

不気味な手がガッと孝支姫の腕をつかみ、強引に引き寄せた。

「………あ、貴方は………っむぅ!」
「覚えておいでですか、孝支姫」

バタバタと抵抗を続ける孝支姫の口を手で塞ぎ、徹は孝支姫を抱き上げた。

「嗚呼なんと可愛らしい……」

理性が切れそうなのを耐える。

徹は孝支姫を抱き上げたまま踵を返し、孝支姫を連れ去った。

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うさぎ - リクで白鳥沢の川天お願いします!結構甘めのがいいです! (2019年7月22日 23時) (レス) id: 9f09464d20 (このIDを非表示/違反報告)
ノヤさん(♀) - リクエストです!青城の京矢か金国、お願いします! (2017年5月29日 15時) (レス) id: 6ac2ba7a16 (このIDを非表示/違反報告)
はっち - って言うか、青城の誰か×及川さんが読みたい! (2016年10月27日 21時) (レス) id: 72ebb66f47 (このIDを非表示/違反報告)
はっち - あの...リクエストします、松花って書けますか? (2016年9月30日 22時) (レス) id: 72ebb66f47 (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - リクエストしてもよろしいでしょうか?影月が読みたいです!お願いします!! (2016年9月12日 23時) (レス) id: f6f0a39ef9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宮瀬幸雲 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sugamiya057/  
作成日時:2016年7月31日 16時

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