抗えぬ運命【アイナナ】 (ページ4)

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涙ページ4

父との話を終えて部屋に戻った私は、思い出した情報とこの世界で生きている中で得ていた情報を紙に書き出すことにした。

「...逢坂壮五、20歳で、身長は...175cmだっけ？
辛いものが好きで、あと整理整頓も好き。嫌いなものは...弱い自分。
アイドリッシュセブンのメンバーで、環くんとMEZZO"ってユニットやってて...、ソロ曲はMaybe。ロックとかが好き、ダグラスの大ファン...あ、TRIGGERとかRe:valeとかも好きだよね...。
叔父さんの影響で音楽にハマって、家を出てアイドルになる...。」

改めて書き出してみると、なんだか前世の気持ちが再燃してきて
胸がぎゅっと苦しくなった。

.....死ななければ、4部のストーリーも見れたのかな。彼らの活躍を、まだまだ見守れたのかな。
...死にたく、なかったなぁ。

ぽたり。

「...あ、れ...？ど、して...。」

前世に、大した未練なんてないと思っていた。
思い出したところで悲しさなんて微塵も感じなかったし、不思議だな、なんて、そんな程度で。
大丈夫だ、って、自分に暗示をかけてたんだ。

『死にたくなかった』
その気持ちに、私自身が気づかないように...。

「う、うぁ.....ひ、うぇ.....」

溢れてしまった涙は、もう止まらない。

私は、声を我慢することも忘れて子供みたいに泣いた。思い切り声を上げて、ただただ泣き続けた。
広いこの家には、私の泣き声に気付く人は一人もいなかった。