抗えぬ運命【アイナナ】 (ページ2)

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状況ページ2

とりあえず、状況を整理しなければならない。

今思い出した記憶は前世の私のもの。
「アイドリッシュセブン」というゲームにハマっていた。
階段から落ちて命を失った。

今私が生きているのは、恐らくだが「アイドリッシュセブン」の世界。
"FSC"には聞き覚えがあるどころか、昨夜もFSC関係者と父がビジネスの話をしているのを見たばかりだ。

「何なの、これ...。」

唐突に現れた濃すぎる記憶に脳がキャパオーバーだと悲鳴をあげている。

つまり私は前世での願いが叶って、逢坂壮五を助けるチャンスを与えられた、って事...？

...無理だ。私には。
第一、体が弱いため自由に外を歩き回れない。
逢坂壮五と接触する機会なんてパーティぐらいしかないのだ。
そんな私が彼を助ける...？

前世の私は随分と自信過剰だったようだ。
出来もしない事を...。

いや、できる出来ないは関係ない。とにかく状況を整理するんだ。

ファイブスターカンパニー、通称FSC。
かなり有名な会社で、私の家が1番親しくしているところ。
当然、運営している一族の姓は「逢坂」。
紛うことなき逢坂壮五の実家、FSCだ。

そして、問題は...。
現在は、ゲームにおけるいつ頃の場面なのか。
むしろ、ゲームにあるストーリーよりも前の時間軸なのかもしれない。

とにかく、情報を集めよう。
そう決め、私は前世のそれとは比べ物にならないようなふかふかのベッドから重い腰を浮かせた。