【歌い手】兄を探していたら海賊になりました。【浦島坂田船】 (ページ10)

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兄を探して９日目ページ10

貴『(ここ…だな。うん。)』

マジでバカ広すぎ。方向音痴にもわかりやすい構造にしろよ…

ーー

起こさないようにそっとドアを開ける。

大部屋にはベットが4つ並んでおり左から

うらたさん、志麻くん、坂田、センラさんの順番で寝ている。

うわ、坂田布団をもろ蹴飛ばしてる。掛け直してやろ…

って、私はお母さんかよ。割と大きい子沢山だなおい。夫誰だよ。

…またそっとドアを閉めてキッチンへ向かった。

ーー

貴『冷蔵庫は…それなりになら材料はあるか。』

軽くサンドウィッチでいいかな。下手にたくさん材料使っちゃったら、センラさんの料理計画狂わせちゃうかも。

一種類だけだと質素だから、何種類か作ろう。

いつも自分用しか作らないから、
人に堂々振る舞えるような大層なものはセンラさんみたいには作れないし、

皆にバカにされないか心配だけど…

ーーー

貴『こんなもんか…我ながら THE・普通だな。まぁ、いっか。』

確か洗濯物が溜まってたような…やってあげるか。

海水をきれぇぇぇぇいにろ過して使う洗濯機らしく、

ただ単に興味本位でやってみたいのもある…

あとは掃除とか…？とにかく、来たからにはちゃんと役に立たなきゃね。

ーーー

もう７時近いな…

そろそろセンラさんが朝ごはんを作ろうとして起きる時間かも。

キッチンへ戻ると不思議そうな顔をしたセンラさんがいた。

貴『おはよ。』

セ｢あ、おはよ…これAちゃんが作ったん？美味しそうやね！そんでもって彩綺麗やわ～、朝って感じ？｣

貴『ほんと？！ありがと。あとごめんね、勝手にキッチン借りて。』

セ｢気にせんといて、むしろ感謝やわ。｣

貴『来たからにはちゃんと役に立たないとね！』

セ｢そんな気ぃはらんくても大丈夫やで？気楽にいこうや、気楽に。｣

貴『気楽ねぇ～…あ、洗濯と掃除やっといたよ！』

セ｢ほんま？！助かるわぁ…うらたん以外はほんまにやらへんからな…じゃあだいぶ早起きしたんやない？｣

貴『気にしないで、たまたま早く起きちゃっただけだよ。』

セ｢外で寝たら風邪引くで？気いつけやぁね。｣

貴『…ありがと。』

非番(？)の正体はセンラさんだったのか…

その後続々と起きだし、バカにされるかと思いきや文句を言わずに美味しい美味しいと食べてくれた。