【歌い手】兄を探していたら海賊になりました。【浦島坂田船】 (ページ43)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:317,166 hit

兄を探して３９日目ページ43

.

貴『る、luzさん！手、離してください！それにまだ心の準備も…っ！』

luz｢そんなん言うとる場合やないやろ！あと呼び捨てでいい！｣

貴『あ、あと…！もぅっそろそろ限界です…！』

luz｢？！さっきより出血酷くなっとるやん！なんではよ言わんかったんよ！怒られるのは俺なのに！｣

貴『そっち…？！』

luz｢あぁ…抱っこするで！暴れてこれ以上酷くするんじゃないで？！分かった？！｣

貴『はっ？！だ、だだ抱っこ…？！』

確かに今の私は貧血と痛みでこれ以上動けそうにはないけど…

ええええええい！！もうどうにでもなれ！！モジモジしてる場合じゃない！

貴『わ、分かりました！重くても文句言わないでくださいよ？！』

luz｢女の子にそんなこと言いませんっ！

よいしょっと…さっ、はよ兄貴んとこ行くで！｣

ーー

ガチャ

luz｢はぁ…はぁ…はぁ…｣

そこにはどこか懐かしい面影のある男性が一人いた。

それに私と同じような髪色の…

？｢A…っ？｣

貴『に、兄ちゃん…？兄ちゃんっ！！』

？｢A！！よかった…っ！！｣

泣きながら抱き合い、再開した兄妹の隣でluzが発した一言によって、

私の過去の記憶が蘇り、全てのピースが繋がった。

luz｢良かったね、まふ。やっと妹さんに会えて。｣

まふまふ｢うんっ…！ありがとう！！｣

貴『ま、まふ…まふ…。……っ！』

ま｢なに？A。兄ちゃんの名前忘れたの？｣

貴『ずっと兄ちゃん兄ちゃん言ってたから…』

ま｢ふふっ、酷いなぁ。まっ！でも、色々思い出してくれたみたいだし！

あの日のAは6歳か…大きくなったね。｣

貴『兄ちゃんこそ。そんなイケメンに育ってw』

ま｢何それw…さ、そろそろ我慢も終わり。治療するよ｣

貴｢兄ちゃんには、敵わないな…｣

久しぶりの再開なのに、無理して取り繕ってたのがバレてしまったようだ。

兄ちゃんが傷口に手をかざし魔力を一気に感じた瞬間、

緑色の光を放ちみるみると傷口は塞がれ、銃弾も取り除かれた。