【歌い手】兄を探していたら海賊になりました。【浦島坂田船】 (ページ29)

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兄を探して２８日目ページ29

坂｢じゃあまず手始めに…倒れない程度に自分の限界の爆風出してみて。｣

貴『わ、分かった…でもあんまり大きいのやった事ないから怖い、かも。』

坂｢大丈夫やから。杖持っとる手に俺の手添えて後ろに俺おるから、大丈夫。｣

坂田の手が私の手に触れた時、ドキッとした。

決して恋愛感情ではなく、さっきあれほどの姿を見たあとだと変な意識をしてしまう。

…ダメだ、ダメだ。坂田に真剣な顔と声で集中力切らすなって言われたばっかじゃん。

貴『…ふぅ』

ドゴォォオン！！！！！

貴『うわっ？！』

軽く爆風に体が飛ばされそうになる感覚は坂田によって封された。

坂｢あっぶねぇ～！A大丈夫？！｣

貴『？！だだだだだだ大丈夫っだよっ？！うん！

今の状況の方が正直やばいからちょっと離れてもらえますかね？！』

頭にガードのために手を回されたバックハグとかやめてくれ、恥ずかしすぎる。

坂｢あぁ、ごめんごめん。てか男慣れしなさすぎやろ…｣

貴『う、うるさい！男慣れどころか普通の反応でしょ！？

しかも私、今まで兄ちゃんとお父さん以外の男の人と話したことすらないし…！』

坂｢まだまだ元気って事は本気を出せばこれ以上…魔力の限界が知りたいけど、Aの魔法の種類がなぁ。

でも自分の身体を削って使うから少しは本能的に制御されるはずやのに、まさかこんなにも…｣

貴『え、えぇっと…つまり？』

坂｢Aは凄いって事や！こりゃコツさえ掴めば戦闘は心配無用！｣

貴『ほんと…？』

坂｢あとはAの場合は体力づくりや！

Aは物覚えがいいからコツ掴みは大丈夫だとして、体力づくりは努力でなんとかするもんや！

今日は戦闘をする上で大切な基礎的な知識と動きだけやろか！筋トレとかは今度、志麻くんにお願いしいや！｣

貴『わ、分かった！』

ーー

坂｢まずは『浦島坂田船』としての戦闘のルールを。

それは絶対に殺す、まではしない事。限界でも半殺し。
俺達は何があっても人の命は奪わないことを絶対としとる。…約束、できる？｣

貴『…できる。』

坂｢よし！信じてるからなっ！｣

何があっても…

はっきり言ってしまえば、感情的になりやすい私が絶対に守れる自信はない。

だけどこれはここに『生(い)』たければ、命の次に守らないといけないこと。気をつけなきゃ…