ばかみたいな思いつき ページ2
歩いて十数分ほどの近所のスーパーにやってくると、入口の脇に並べられたカートをひとつ取って自動ドアをくぐる。天井からの冷気がすうっと首筋を撫でた。外の煮えるような暑さとのコントラストで、ぶるっと体が震えそうだ。
「何を買いに来たの？」
カゴを乗せたカートを押しながら店内を進むと、彼女は顔を覗き込んで尋ねた。言葉を濁しつつ、店の奥までカートを推し進めて、目的のものを前に足を止めた。
「まずは、これ」
「水風船？」
俺が手に取ったものに目を向けて、彼女は不思議そうにまた問いかけた。水風船をいくつかカゴに放り入れて、それからまた進む。今度は線香花火のパック。そして最後に冷蔵ケースの並ぶ乗り物売り場へ向かった。
「サイダーとコーラ、もしくはこれかー、これ」
ケースに並べられた飲み物を指差し、ここからここ、と範囲を定める。それからどれがいいかと彼女に尋ねると、彼女は小さく微笑んだ。
「炭酸限定なんだね」
「まあまあ、今日はそういう日なのよ」
俺も小さく笑い返すと、彼女は仕方ないなぁ、なんて言いながら陳列棚に目を向ける。真剣な眼差しで悩み選ぶ後ろ姿を眺めていると、学校帰りにコンビニに寄っていた頃を思い出す。部活終わりに帰るタイミングが重なったりして、研磨と三人でよく並んで歩いたものだ。
「じゃあ、サイダーにする」
「なら俺もサイダー」
二つのサイダー缶をカゴに入れると、今度はレジに向かって歩き出す。鞄に手をかけた彼女を制して、財布から千円札を出した。会計を済ませたあと、彼女はありがとうとまた笑った。
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朱里(プロフ) - おと〜ふ。さん» 読んでいただきありがとうございます！感想をいただけてとても嬉しいです（ ; ; ）描写はいつも一番悩んでいるところなので、そう言っていただけて嬉しいです。励みになります。ありがとうございます！！ (2018年9月30日 18時) (
レス) id: d7d2aff1aa (このIDを非表示/違反報告)
おと〜ふ。(プロフ) - このお話めちゃくちゃよかったです！描写とかの表現も綺麗で、目次が泣かせにきてて、もう最高でした！！これからも楽しみにしてます(*´∀｀*) (2018年9月30日 14時) (レス) id: f4bc1fabd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱里 | 作成日時：2018年9月29日 23時
