…… ページ23
凛空side
その後、生徒会室に戻った
英「そうか、手を切ったんだね。さすがだよ、凛空」
『そりゃどうも……』
今は頭が働かない。働きたくねぇって言ってるみたいだ。
何も今の俺の心には響いてこない。感じない。
英「今は罪悪感があるかもしれないけど、そんなものすぐに忘れるさ」
『だろうな。
……そうなんだろうな』
人間は馬鹿な生き物だから。少ししたらすぐに忘れてしまう。
『それじゃ、わかっただろ。もう帰る』
英「そうかい。いいよ、君の誠意は伝わったよ……存分に、ね」
最後の言葉を聞かずに俺はドアを閉めていた
『畜生……何だってんだ』
アイツの表情が強く残ってる。
悲しそうな、子供が目の前で親に見放されたような……表情
そうさせたのは俺だ。俺があいつを……懐かせて、突き放したんだ。
冷徹に、無慈悲に。
『とんでもねぇ悪魔……いや、鬼か』
でも、元はといえば俺は元々紅月のためにやってきたんだ。紅月を守るために俺は――
・
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『……じゃあなんだよ。紅月と五奇人……どっちが大切だったんだ、俺は?』
生徒会の一員として、紅月の一員として
正しいことをしたとして……それが何だ。だったら
『だったら、どうして俺は……こんなに苦しんだよ』
守るためって言ったって、ほかにも手はあったんじゃないのか??
こんな、人を傷つけて……自分を傷つける以外の道を、探したのか??
これしかないって思いこんで…………何も探さなかったのに
勝手にあきらめて、結果あいつを裏切った。
〈あきらめるのは、すべての手を尽くしてから〉……なんて、よく言ったもんだよ
『っくそ!!……っ』
思いっきり壁を殴る。凹んだりはしない。そんな力は俺にはない。
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『……神様、いるんなら、教えてくれよ。
俺は……俺、は…………どうすれば……よかっ、た……んだ……っ』
壁に額をつけ、涙を流しながら……言葉を絞り出す。
俺は初めて、神様を恨んだ。
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そぬん - とっても面白かったです!何度も泣きそうになりました!!最高の作品でした!ありがとうございました!! (2020年7月24日 15時) (レス) id: 19aa650d6b (このIDを非表示/違反報告)
茶柱(プロフ) - そうですね……何日かに一回くらいでしょうか?場合によっては毎日更新できる日もあるかもしれませんが。不定期ですみません! (2016年11月12日 23時) (レス) id: 266ac07be9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき姫(プロフ) - とても続きが気になります!頑張って下さい!どのくらいのペースで更新されますか? (2016年11月11日 22時) (レス) id: 02f248c2a2 (このIDを非表示/違反報告)
レモみる(プロフ) - 毎回、更新楽しみにさせてもらってます!更新出来ないんですか…ちょっと残念ですけど、次の更新が来るまで大人しく待ってます!頑張ってください! (2016年10月29日 17時) (レス) id: b87a79904c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茶柱 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年10月6日 22時