正体不明の実況者【男主？】 (ページ24)

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データ23 ページ24

玄関を開けると真冬にもかかわらず汗だくのキヨが立っていた

キ「ごめん、入れて」

キヨが入るのを確認し、鍵をかける

『…ごめん、俺のせいだ』

俺がちゃんと注意して動画を消させていれば

俺が原宿に行きたいと言ったから

『俺がキヨに会っちゃったせいだ』

キ「何言ってんだよ」

『俺がキヨの誘いを断ってたら、俺がキヨに合わなければ」

キ「やめろ、」

『キヨの会おうって提案も断ればよかった、そもそもみんなと仲良くならなければこんな事に』

キ「やめてくれッ！！」

キヨの声で我に帰る

『ぁ、ごめ…』

キヨがぎゅっと抱きしめてくる

初めて会った時もこうして落ち着かせてくれた

キ「ごめんな、俺が気をつけてれば…」

『そんなことない、俺が行きたいって言ったから』

キ「俺が誘ってなかったらこうはならなかった…」

『俺がキヨとならって思っちゃったから、普通になれるって…』

キ「そうか、そうだよな…」

涙は出てなかったものの、顔は変にくしゃっとしていたと思う

言葉にはできない、変な感覚だ

言葉も辿々しい

それはキヨもお互い様だ

キヨが頭をぽんぽんと撫でて落ち着かせてくれる

『…キヨってお兄ちゃん感あるよな』

キ「何でこのタイミング？」

『普段は酷いのにこういう時に優しくしてくれるところ』

キ「一言余計だよ」

『本当の事だろ？』

俺たちは顔を見合わせて思わず笑った