どうかこの夜が少しでも長く続きますように【ヒロアカ短編】 (ページ6)

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「別に、テメェに怒ってねぇよ」
「う、うん…」
私、口にだしてないよね…？あれ。
「ただ、あのクズどもにきかれて俺は何も答えられなかった」
「…なにを？」
「んなの、俺らの関係に、決まってんだろ」
「ぇえ、それは普通にクラスメイトとかじゃない？」
「あ゛？テメェ、ケンカ売ってんのか」
「ぇえ…なんでそうなるの。…じゃあ、友達…？」
「それもちげぇだろ」
「んー…でも、もう他に思い当たる呼び方ないよ？付き合ってるとかじゃないしさ私たち」
なんか、もう自分でいっててむなしくなってきた。ぁあ、かっちゃんは私に何を求めてるんだろう。

「…なれ…い………ろ」
「え？」
「だから、なればいいだろってんだろ。…その、恋人ってやつに」
「いやいや、それは好きなひと同士じゃなきゃダメなやつだよ？」
「あ？文句あんのか。テメェ」
「文句っていうか…第一、かっちゃん私のこと別にそういう対象として好きじゃないでしょ」
「…」
なんでそこ、無視するの。ていうか心なしか、かっちゃんの顔が赤い…ような。それって、もしかして…

「…期待してもいいの？」
「ここまで来たら言わなくてもわかるだろボケ」
「わかんないよ。だってかっちゃんだもん」
「それくらいわかんだろ」
「わかんないって…本当に。だってそんな素振り今まで見せなかったじゃん」
「ぁあ？あっただろ、一緒に帰ったりとか、寄り道したりとかよ。誰が好き好んで嫌いなやつと帰ったりすんだよ」
「で、でも…」
「でも、じゃねぇ！とりあえずお前は今日から俺のだ！わかったか。次の誰かになんか聞かれたらそう答えろ、いいな」
彼は一方的に私にそういって、返事も待たずに背中を向けていってしまった。ぼんやりとその後ろ姿を眺めながら、自分が何を言われたのか理解すると、急に何かが爆発したみたいに顔が熱くなった。熱い。口から、心臓が飛び出しそうなくらい私はドキドキしているようだった。

男子の部屋のドアや廊下から聞こえるコソコソとした話し声に、気づくのはそれから数秒してからだった。
　「ずるいよ、言い逃げなんて」とこぼれた小さな声はおしよせる声に消された。このあと、嫌というほど皆に質問攻めにあうのはまた別の話。