どうかこの夜が少しでも長く続きますように【ヒロアカ短編】 (ページ4)

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「今、爆豪くんから連絡きたんとちゃう？」
「ん、まあ……」
「男子のとこ、行かんの？」
「えっと、いや、さすがにそれは」
「私もついていくから行こう！」

　デクくんに頼まれごとがあって、と続けるお茶子が立ち上がる。なんだか断るのも気がひけるので、「わかった、いくよ」と自分も腰を上げた。
　部屋を出ようとすると、背後から「峰田には気をつけるんだよ！」と三奈ちゃんの声が聞こえた。

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「あっ、麗日さんとAさん」
「言われた通りAちゃん連れて来たんやけど、どうしたらよい？」
「と、とりあえず、えっと…そうだな…かっちゃんは…」

　呼ばれた爆豪は「黙れ！クソども！しつけぇ！！」他の男子に向かってと叫んでドアをあけたところだった。緑谷くんとお茶子の会話に少し違和感を覚えたが、薄い金髪の彼を見つけた途端、発熱したような熱さに襲われた。いつもはツンツン立っている髪の毛がすこし濡れて垂れ下がっていた。お風呂上がりなのかな。教室で見かけるいつもの様子との違いに、心臓がドキドキする。

「おい！てめぇら、これ以上…あぁ゛？丸顔と、A」

　彼の頬が少し赤く見える気がするのはいつもと髪が違うゆえの光の反射なのか。それともお風呂上がりの紅潮なのだろうか。どちらにしても私には色っぽくみえてしまって、視線をどこに定めれば良いのか分からない。
「じゃあ、僕はちょっと麗日さんとジュース買いにいってくるね」
｢おい。コラ、クソデクとごいく――「Aちゃんファイトや！」」

｢えっ、何が？」と私が言おうとしたときには二人はもう自動販売機の方へ向かってしまっていた。少しの間、沈黙が訪れた。いつもならすぐに会話ができるはずなのに、今日の彼はいつもと違ってみえるし、さっきの女子会での会話の影響もあって、いつも通りに接することが出来ない気がする。
「あ、のさ、通知見たんだけど」
「あー……、あれは、もういい、忘れろ」
「いや、すぐ返事できなくてごめん……でも、その、なんで話があるって…」

　そう聞くと目の前の彼は、珍しく困惑したように見える表情を浮かべた。何か聞いてはいけけないことをいってしまったのかも、と不安になっていると、彼は重い口を開けて「あいつらがうるせぇから」と小さくこぼした。