【名探偵コナン】不法侵入です！

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Aside






では、とテレビから視線をこちらへと向ける沖矢さんが




「Aさんはそういったお相手はいないんですか？」



と少し揶揄うように言いながら目線をこちらにむける。









「残念ながら、全くありませんよ」




とこれまた残念そうに眉を下げて、あははと笑む。




残念も何も高校にいる男どもに一々恋愛感情なんて湧いてこないし、関心も興味もない。






…けど、1人だけ気にしている人間はいる。






「では友達は？」


「友達の中で、ですか？いません。いません。」







首を振り愛想笑いを振りまく。






(この質問、いつまでする気？これじゃあ根掘り葉掘り聞かれるのはこっちじゃん)





全く嫌になる。


嗚呼、でもそれはそれでいいかもしれない。


聞かれて困ることがあるのは彼方も同じなんだし。



けど、






「でも、気が合う異性の知り合いならいますよ。2人しかいませんけど」




そう言って返答を待たずに立ち上がる。






「おや、どちらへ？」




と聞いてくるあたり私のプライバシー権はないのかと思うものの、一緒に住むなら答えるべきかな。







「お隣ですよ。久しぶりに帰ってきたので、顔でも見ようかと」



「そうですか」



ふんわりと微笑む姿がどうにも胡散臭い。





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自分の部屋へと上がり薄めの羽織りをクローゼットからとりだす。


夏だからこそだろうか。


日差しが強そうで嫌になる。



窓から視線を外し、階段を降りて玄関へ向かう。






その途中、リビングから出てきた沖矢さんが「いってらっしゃい」と言うものだから、何も言わないのは変だろうと思い、私も「いってきます」と返し扉を開け外へ出た。






「…ふぅ」




一つ深呼吸をして、いつも通りの笑顔を振り撒きながら阿笠博士の家のチャイムを鳴らした。

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