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3月2日 ページ38

─── 卒業まで残り8日









『…ん……』




「おはよ」






目を覚ますと目の前には愛しい人の姿があって


昨日の記憶を手繰り寄せるように思い出す






『あれ……私、いつの間に寝て…』




「俺が起きたときもぐっすりだったからビックリしたよ」




『………起きてたなら起こしてくださいよ』




「気持ちよさそうに寝てたからついな」






先生はそう言ってゆっくりと体を起こすと


水をコップに注いでそれを差し出した






『これ先生のマグカップですよね…?


使っていいんですか?』




「今更気にしなくていいよ


それ飲んだら教室戻れ


まあ、あいつらは眠れてないだろうし


気づかれないようにな」




『ありがとうございます』






素直にコップを受け取って水を口に含む私を見て


先生は満足したように頭をクシャリと撫でると


"朝ご飯は後で持ってくから待ってろ" と言って


パソコンの前に座る




冷たい水が乾いた喉を潤すのを感じた




『先生、戻る前に1つだけ聞いてもいいですか?』




「なに?」




『……先生の


本当の目的はなんですか?』




「……それはまだ教えられない」




『……わかりました』




「意外とすんなりと引き下がるんだな」




『先生がそう言うのも何か理由があるんですよね…?


だから私は先生を信じて


いつか教えてくれるのを待ちますよ』




「……ありがとう」






そう言うと優しく微笑んで見せる先生は


ひどく眩しかった






『お水、ご馳走様でした


じゃあ私戻りますね』




「あ、待って


中尾が生きてること、あいつらには…」




『わかってますよ


言わないので安心してください』






"失礼します" と私は準備室の扉を閉めた

.→←.



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佐藤。(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます!本当に不定期すぎる更新で申し訳ないです…。頑張ります! (2019年10月11日 18時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - とてもおもしろいです(*^^*)一気読みしてしまいました!これからも頑張って下さい♪応援してます(p`・ω・´q) (2019年10月4日 19時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - 歌波さん» そうなふうに言っていただけて嬉しいです…!完璧なる自己満足作品ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年5月3日 16時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
歌波 - 神作をまたもや発見 (2019年5月3日 14時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐藤。 | 作成日時:2019年4月30日 18時

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