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── 1時か…
あれから更に時間が経って今はすっかり夜中だが
私は眠れずにいた
みんなも床に横になったり、机に伏せたりしているが
眠れるはずもない
私は座っていた椅子から音を立てないようにゆっくりと立ち上がると教室を出た
廊下を埋め尽くす瓦礫の山を前に
自分の置かれている状況を再確認して思考を巡らせる
"私が
こうなったら直接
と後ろを振り向くと
そこには隼人が眉をひそめて立っていた
『もう、ビックリさせないでよ』
教室の人に聞こえない小声でそう言うと
隼人も同じように小声で返す
「声かけてんのにお前が気づかなかったんだよ
……眠れねえのか?」
『……うん、まあ…
…隼人も?』
「ああ…
どこ行こうとしてたんだ…?」
『……トイレ』
「トイレ逆方向だけど」
『あ…』
なんて返せばいいか分からなかった
言えるはずがない
"
だが
隼人はそんな私の心を読み取ったのだろうか
「……柊のところか?」
『………』
「もしかしてあいつのこと…」
── 隼人には全部お見通しなのかな…
私は何も言わずに美術室へ向かおうとしたが
それも隼人に手を取られ妨げられる
傷つけた手のひらが少し痛んだ
『……ごめんね…?』
私はそれを誤魔化すように隼人の手をソッと離すと
美術室へ向かった
そんな私を隼人は止めようとはしなかった
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佐藤。(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます!本当に不定期すぎる更新で申し訳ないです…。頑張ります! (2019年10月11日 18時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - とてもおもしろいです(*^^*)一気読みしてしまいました!これからも頑張って下さい♪応援してます(p`・ω・´q) (2019年10月4日 19時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - 歌波さん» そうなふうに言っていただけて嬉しいです…!完璧なる自己満足作品ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年5月3日 16時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
歌波 - 神作をまたもや発見 (2019年5月3日 14時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤。 | 作成日時:2019年4月30日 18時