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それから時は過ぎ
魁皇高校は2学期へと突入していた
私はというと
学校には通えていないもののリハビリは順調に進み
今月中には退院出来るだろうと医師には言われている
先生も毎日仕事を早く切り上げては病室に足を運んでくれた
隼人や唯月、涼音、クラスメイトも毎日のようにお見舞いに来てくれる
ある1人を除いて───
「はいこれ、2学期入ってからのノート
あと、Aの大好きなマスカットも持ってきたよ!」
『ありがとう、さくら
…今日も澪奈は一緒じゃないの?』
「……あ、ああ!
澪奈ね、ココのところ部活が忙しいみたいで!
ほら!Aも見に来たでしょ?夏の大会!
さっすが澪奈様!優勝しちゃったからね〜!」
『そっか…
入院してから一度も会えてなくて…』
「そ、そんな落ち込まないで?
ほら、25日だっけ!もうすぐ退院でしょ?
そしたらまた澪奈にも会えるよ!」
『うん、そうだね!
リハビリももっと頑張らなくちゃ!』
「その意気だよ!うん!
あ、えっと、じゃあ!そろそろ帰るね?」
『あ、うん!ありがとう!』
そう言って帰って言ったさくらを見送ると
息をつく間もなく扉が開かれた
「……A、久しぶり」
『澪奈?!
え、さくらから部活忙しいから来られないって聞いてたけど…』
「あー…うん
今日はミーティングだけだったから早く終わったんだ」
『そうなんだ?にしても久しぶり〜!
あ、さくらには会った?
ついさっき出てったんだけど…』
そう言うと澪奈は先程まで見せていた笑顔を少し引き攣らせ
しばしの沈黙が続く
『……もしかして
さくらと何かあった?』
「え?!ううん!
何もないよ?」
『本当…?』
「本当だって!
あ、さくらね!会わなかったよ?
反対の方向に行っちゃったのかな?」
『……澪奈、何かあったなら話聞くよ?』
私の言葉に微かに瞳を動かしたような気がしたが
澪奈はそれを隠すように俯いた
「………ううん、大丈夫
Aも案外元気そうだし、そろそろ行くね」
『ちょっ、澪奈!!』
私の声に振り返ることなく、澪奈は病室を出ていった。
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佐藤。(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます!本当に不定期すぎる更新で申し訳ないです…。頑張ります! (2019年10月11日 18時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - とてもおもしろいです(*^^*)一気読みしてしまいました!これからも頑張って下さい♪応援してます(p`・ω・´q) (2019年10月4日 19時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - 歌波さん» そうなふうに言っていただけて嬉しいです…!完璧なる自己満足作品ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年5月3日 16時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
歌波 - 神作をまたもや発見 (2019年5月3日 14時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤。 | 作成日時:2019年4月30日 18時