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それから父の暴力は回数を増した




どうやら仕事が上手くいっていなかったらしく


何か理由を付けては


"教育" と言って私に暴力を奮った




日に日に増えていく傷の痛さを紛らわすように


夏休みも足繁く美術室へ通った




猛暑にも関わらず


傷を隠すために長袖を身にまとって






「最近、何かあったか」




『え…』






ある日、絵のモデルをしている時に


先生が唐突にそんな質問をした




暑さのせいなのか


額に汗が滲むのがわかった






『…どうしてですか?』




「いや、最近前みたいに笑わなくなったから」






先生には全てお見通しなのか、そう思った




いっそこのまま先生に泣きついてしまおうか




だが、脳裏に過ぎる父の姿がそれを許さなかった






『……そんなことないですよ』






めいいっぱいの笑顔でそう返すと


先生は顔を顰めて鉛筆を置いた




一歩、また一歩とゆっくり距離を詰める先生に


一筋の汗が背中を伝う




その距離、わずか数センチ




お互いに息がかかりそうな距離に


先生は顔を寄せた






「何があった」






私の瞳を捉えて離さない先生の瞳に


私はたまらず目を逸らした






『…あ、の……


……用事を思い出したので、帰りますね…』






先生はそう言って部屋を出ようとした傷だらけの私の腕を掴んだ






『いっ……』






思わず漏れた声を必死に抑えるも


時すでに遅し




先生は私の制服の袖をたくし上げると


その傷の量に目を見開いた






「……服、脱げ」




『…いや…です……』






その返事を聞いた先生は


強引に私を床へと押し倒し


服を捲り上げた




床に打ちつけた背中が痛いからだろうか




それとも


先生に傷のことがバレてしまったからだろうか




目から涙が零れて仕方がなかった

。→←。



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佐藤。(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます!本当に不定期すぎる更新で申し訳ないです…。頑張ります! (2019年10月11日 18時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - とてもおもしろいです(*^^*)一気読みしてしまいました!これからも頑張って下さい♪応援してます(p`・ω・´q) (2019年10月4日 19時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - 歌波さん» そうなふうに言っていただけて嬉しいです…!完璧なる自己満足作品ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年5月3日 16時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
歌波 - 神作をまたもや発見 (2019年5月3日 14時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐藤。 | 作成日時:2019年4月30日 18時

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