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side -ibuki-









『……だから先生


私を助けてくれて本当に「誰と話してるんだ」






受話器の向こうからは


聞こえるはずのない男の声が聞こえてきた






『……お…父さん…


……今日は遅くなるって…』




「仕事が早めに片付いたからな




……それで?


誰と!


何の話を!


……していたんだ?」






ドンッという重々しい音のあとに


Aの悲鳴混じりの声と共に体を殴るような音が聞こえてくる






「A?!A!!おい、A!!」






その声も届くことはなく


どこかに叩きつけられたような衝撃音の後に


プープーと無機質な音が聞こえてきた






「クソっ!!!!」






俺は力いっぱい唇を噛み締めて走り出し


車へと乗り込んだ




焦りと不安からパニックを起こしている頭で


必死に警察へと事情を説明し


Aの家へと向かう






── やっぱり無理にでも引き止めるべきだったんだ






── なんでもっと早くに気づいてやれなかった






── 教師として恋人として俺は今まで何をしてきた






赤信号で足止めをくらってしまうと


苛立ちに任せてクラクションを大きく叩いた









短いものの、ひどく長く感じられた時間が過ぎ


ようやくAの家へと辿り着いた






「A!!A!!無事か!!」






何度もドアノブやインターフォンを荒々しく叩くも


鍵がかけられており


それが開けられることはない




俺は庭へと周りAの姿を探した




歩を進めるにつれて


どこからか怒号が聞こえてくる




その声を頼りに急ぐと


カーテンの隙間から力なく倒れている少女を殴りつけている男の姿が見えた




Aは真っ白の制服に赤い血を滲ませ


細く華奢な足は青く腫れ上がり異常な方向へ曲がっている




理性も何もかも吹き飛んだ俺は


近くに立てかけてあったスコップを手に取り


窓ガラスに向かって振り下ろした




その音に気がついた男は俺を見るなり


青ざめた顔で言い訳を始める






「ちっ……ちが…違うんだ!コレは……」






俺はその言葉も聞かず


男の顔面に重い拳を浴びせた




気絶した男を確認し駆け寄ると


Aは虚ろな目で俺を捉えた






『……せ、んせ…?』




「……もう大丈夫だ


だから、無理して喋るな…」




『……助けてくれて、ありがと…』






そう呟きフッと優しく微笑むと


Aは腕の中で気を失った。

。→←。



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佐藤。(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます!本当に不定期すぎる更新で申し訳ないです…。頑張ります! (2019年10月11日 18時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - とてもおもしろいです(*^^*)一気読みしてしまいました!これからも頑張って下さい♪応援してます(p`・ω・´q) (2019年10月4日 19時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - 歌波さん» そうなふうに言っていただけて嬉しいです…!完璧なる自己満足作品ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年5月3日 16時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
歌波 - 神作をまたもや発見 (2019年5月3日 14時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐藤。 | 作成日時:2019年4月30日 18時

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