アイムノットヒロイン？

トラウマ ページ11

今度の島はとても賑わっていて、楽しいらしい。
クルー達の様子から、よくわかる。


これまでなら、それだけのことだった。


「Aちゃん聞いて！シャチったら、ここでナンパしてふられて、次すぐにまたここでナンパしてふられて、その次はここで……」

カナさんの土産話は他のクルーよりも情報量がとても多い。

「……でね、ローってパン嫌いじゃない？だから、ベポにあげたみたいなんだけど、それがさ……」

これまであまり知らなかった、島でのキャプテンの様子も見えてくる。

新しい視点からの話は単純に面白い。

それでも、私も一緒に行きたいとは思わなかった。

私の心を蝕んでいる恐怖の方が、はるかに上回るから。





だけどなんでかな？

今日、初めて、私も自分の目で見てみたいって少しだけ思ったんだ。

キャプテンと一緒に歩いてみたいなーなんて。



欲が出てきたのか⁈

やめとけ、私！





「Aちゃんが船からおりない理由、私もやっぱり知ってたいな。」

「あれ？聞いてないですか？」

キャプテンもクルーもみんな知ってる話。

当然、カナさんにも伝わってると思ってた。

「ローがね、「俺から話すことじゃねェ」って言ってた。わざわざ聞くことじゃないかとも思ったんだけど、今日のAちゃん、ちょっと違う気がして…。」

キャプテンそんなこと言って…。

てか、カナさんの感性ってすごいわ。
私より私のこと見えてる？
思いやりのある人ってこうなのかな？
やっぱり、ステキな人だと、あらためて思います。




「大したことないんですけどね……」

ハートの海賊団に加わる前に、一緒にいた仲間。

そして、その人たちのせいで、船からおりれなくなった。

未だに引きずってるトラウマ。




「……もし、もしもだけど、前の仲間に出会えたら、Aちゃんは、その人たちのところに行くの？」

「行きませんよ！ありえません！私はキャプテンについて行くって誓いましたから！」

「そっか…。やっぱりそうだよね…。」

カナさん、何でそんな顔するんだろ？

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