【d!】蠱毒と女 (ページ7)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:456 hit

7 ページ7

_魔女が出たと、ゾムから聞いて早2日が過ぎた。

特段これといった情報が入ってくることも無く時は過ぎる。
数分前、ゼガルに突如現れた死体の十字架について第一視察団からの連絡があったくらいだ。

ゼガル出身104名の内、一人の死体が未だに見つからないこと。村の小さな協会には不可思議な血痕と魔法陣が残されていたこと。

情報を得る度に分からなくなるこの大量殺人の事件にロボロは頭を悩ました。何故このような出来事が起きたのか、一切見当がつかないのだ。

この国の頭脳__エーミールが言うには文献にはイハルト-ゼガルの"村民全員が参加しなければならない祭り"など存在しないと。

〈ゼガルにある祭りは大きくわけて3つ。一つ目奉納祭、二つ目収穫祭、最後に聖教祭。全て参加は強制されるという記録がない。実際、これまで城に勤めていたゼガルの民が一斉に帰省したという事実も無かった。過去の資料も確認したから間違いないはずや。え？何年分見たって……ゼガルという村が出来た年代から全部やから…ざっと139年分やな。…ちょ、なんでそんな目で見んの？！流石に一日じゃ間に合わんかったけどさぁ、不眠不休三日で終わらせたんやから少しは褒めてもええやろ！〉

実際、常人では到底なしえない事を三日で終わらせたエーミールには度肝抜かれたが、同時にそれを貶すと思われていたことに腹が立つ。

__この城にいる上層部は超人しかいない。
それは断言できるのだが、あれだけの才能ゴロゴロと身内にいると思うと……なんとも皮肉な話である。

自分の個性などちっぽけだと、再確認させられたようで。

数年後、ロボロは自身の個性によって国の窮地を救うのだが、今の彼には想像も出来ない事だった。

続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←6