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またこの人の悪い部分 が出とる。
弱冠で総統補佐まで登りつめ、25の時に現在最高幹部として存在する俺含め十二名と、約五十人程で組織された革命軍と共に叛逆を起こす。
この男は自ら先頭に立ち、元総統の首を双剣で切り落とした。
叛逆を企てた人間は、失敗すれば皆が国民の前で見せしめとして殺される。それ故に、首謀者が自ら手を下すという事例は少ない。
何故自分を態々危険な身にさらすのか疑問視した時、男は防ぐため と一言。
《 防ぐ…って、何を？ 》
《 俺が、"普通"の首謀者になることを防ぐためだ。 》
今考えると馬鹿にも程があるが、男は単純に暴れたかったのだろう。しかし、この男を尊敬、信頼してここまで着いてきたのだ。俺も大概だな、と少し思う。
首を切り落とした瞬間の、あの時見た男の表情は一生忘れることが出来ないだろう。恍惚な表情を浮かべ、まるで長年会えなかった恋人にでも会うかのような優しい笑顔だった。とてもじゃないが、人を殺した直後の人間とは思えないような表情。
血に飢え、地上に引き摺り出された悪魔の男。
空になった玉座に男が座った途端、皆が咆哮をあげた。
金糸の髪に、燃えるような緋の瞳
革命と戦争を好む、稀代の戦闘狂
戦争屋 グルッペン・フューラー
総統の事だ。自分も現地に出向いて調査したいと言い出すだろうと、恰幅のいい男は深い溜息をつく。
未だにクツクツと小さく笑う元叛逆者は、好奇心が少年のように有り余っている人間だ。容易く諦めるという考えは生憎持ち合わせていない。
しかし、だ。そのことを考慮した上でも目の前にいるのは一国の総統である。予定や書類が山積みなのだ。そう易々と私欲の発散のために外出の許可をすることは出来ない。
どうこの人を言いくるめようか考えていた男の背後の扉が乱暴に開け放たれる。
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興味深いな、そう言って男は弧を描くように笑った。男の笑顔で惚れるか、恐怖心を覚えるか。恐らく軍に所属する者は全員後者を回答するだろう。
…恐ろしい笑顔を浮かべていることを本人が自覚していないのが気の毒だが。
弱冠で総統補佐まで登りつめ、25の時に現在最高幹部として存在する俺含め十二名と、約五十人程で組織された革命軍と共に叛逆を起こす。
この男は自ら先頭に立ち、元総統の首を双剣で切り落とした。
叛逆を企てた人間は、失敗すれば皆が国民の前で見せしめとして殺される。それ故に、首謀者が自ら手を下すという事例は少ない。
何故自分を態々危険な身にさらすのか疑問視した時、男は
《 防ぐ…って、何を？ 》
《 俺が、"普通"の首謀者になることを防ぐためだ。 》
今考えると馬鹿にも程があるが、男は単純に暴れたかったのだろう。しかし、この男を尊敬、信頼してここまで着いてきたのだ。俺も大概だな、と少し思う。
首を切り落とした瞬間の、あの時見た男の表情は一生忘れることが出来ないだろう。恍惚な表情を浮かべ、まるで長年会えなかった恋人にでも会うかのような優しい笑顔だった。とてもじゃないが、人を殺した直後の人間とは思えないような表情。
血に飢え、地上に引き摺り出された悪魔の男。
空になった玉座に男が座った途端、皆が咆哮をあげた。
革命と戦争を好む、稀代の戦闘狂
総統の事だ。自分も現地に出向いて調査したいと言い出すだろうと、恰幅のいい男は深い溜息をつく。
未だにクツクツと小さく笑う元叛逆者は、好奇心が少年のように有り余っている人間だ。容易く諦めるという考えは生憎持ち合わせていない。
しかし、だ。そのことを考慮した上でも目の前にいるのは一国の総統である。予定や書類が山積みなのだ。そう易々と私欲の発散のために外出の許可をすることは出来ない。
どうこの人を言いくるめようか考えていた男の背後の扉が乱暴に開け放たれる。
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作者名：盧 | 作成日時：2022年11月16日 20時
