好き、その一言 1 【紫】 (ページ4)

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＊「Aさん、お疲れ様」

「あっ、お疲れ様です。」

今日も仕事を終え、外で友達を待っていたら後ろから声をかけられた。

誰だっけこの男の人。

多分違う階に務めてる人、だと思うけど。

＊「明日誕生日なんでしょ？」

「え、なんでご存知なんですか？」

＊「前聞いたじゃん」

「あれ、そうでしたっけ？すみません…」

＊「それでさ、明日夜空いてる？」

「明日はちょっと……」

その後少し話してお別れした。

結局誰だったんだろあの人。
グイグイくるし苦手だな、「はぁ…」とため息つくとどこにいたのか、同じフロアで働く仲のいいアイがひょこっと現れる。

アイ「ちょっとちょっと！速水さんと仲良いの！？」

「あ、なに、あの人速水さんっていうんだ」

アイ「え！？知らずに話してたの！？」

「うん、知らない。興味無い」

そう言うとわかりやすいくらい顔を歪ませるアイ。

アイ「勿体ない！結構お家もお金持ちらしいよ！？」

「ふ～ん」

アイ「それに顔だってイケメン！文句ないじゃん！」

「そうだっけ？」

イケメンだったかな？

さっき話してたのにもう顔だって思い出せない。
だから大したことないんだよ、うん。

「てかさ、見てないで早く助けに来てよ」

アイ「だってもしかしたら？があるかもじゃん？」

二ヒヒって笑うアイは一体何を期待してんの。

もしかしたらも何も、私は迷惑してるから。

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