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ピピピッ、ピピピッ
「んん……」
いつも通りの時間に鳴り響いたアラーム。
目を覚まし周りを見渡すが誰もいなくて。
ああ、さっきのは夢か、と頭の中で理解する。
ケータイをみると時刻は6時
まだまだ眠たくてこのままもう一睡しようかって気分だけど社会人の朝はそう甘くはない。
今から準備を始めないと仕事に間に合わないもんだから、身体に鞭を打ちゆっくりと起き上がる。
すると1番初めに目に入ってくるのはたくさんのダンボールの山で。
それをみて思わずはぁ…と溜め息が零れる。
夢だった大手化粧品会社の美容部員として働き初めて早7年。
先月まで大阪の店舗で働いていたけど、東京に新店舗を出すということで地元でもある東京に戻ってきた。
だけど繁忙期ということもあり仕事は毎日忙しく。
帰ったら寝て、帰ったら寝てを繰り返し
休みの日も身体を休めるためにほぼ1日寝て過ごす。
そんな生活を続けていたら引っ越してきて1ヶ月が経つというのに未だ片付けが終えられていない。
まあ仕方ないか。
いっそのこと全て断捨離でもしてしまおうか。
……なんて、できもしないことが頭をよぎる。
それにしても懐かしい夢をみた。いや、ここ最近はこういう夢ばかりか。
1番幸せだった、あの頃の夢。
懐かしい土地に戻って来たからか、それとも見かける機会が増えたからか。
多分両者なんだろうけども。
気持ちの整理さえも、今の私にはできないんだ。
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作者名：chi
| 作成日時：2021年3月4日 23時
