love u, 【taiga.k】

37 ページ37

.



「最初に気づいたのは翔太だったかな」


あの2人ってなんかあんの、って聞かれた。って。




何それそんなの全然知らない。


ふっかだけじゃなくてなべも分かってたってこと？







「とりあえず中学一緒とは教えたけどあまり腑に落ちたような感じじゃなくて。」
「うん……」
「だからそれから私もよく見るようにしたんだけど、」


「すぐに気づいたよ」




何かを思い出してるんだろう。楽しそうに笑いだしたナオ。




「……どうして気づいたの？」そう思わずにはいられない。







「本当に分からない？」
「分かんないよ……」
「まあそりゃあそっか。すぐ顔逸らすもんね」
「誰が？」
「京本が。」
「……え？」



「Aが見ようとするとすぐにそっぽ向くんだよ」



あいつ。





……何それ。

まるでそれまで私のことを見てたような言い回し。



期待したくないのに、顔の中心に熱が集まるのを感じる。







「そんなことがしょっちゅうでわかり易すぎてマジ笑った」
「ねえ……」
「田中達が気づいたのもきっと京本からだろうね」




1回私と目が合っちゃった時めちゃめちゃガン飛ばして来たのは本当に笑ったわ(笑)とまた笑いだした。






一頻り笑い終わったあと、フーと一息をついた。そして、



「まあでもあんたらの今の関係性の理由は分かんない」

「うん……」

「だけどね、自信もっていいと思うよ？」

「え……？」


「Aを見てる時の京本の顔、すっごい優しい顔してるから」




そんな顔できるんだなって関心したもん。そう言われ、思い出すのは少し前田中くんが言ってたあの言葉。






"" 好きな子には、もっと優しい顔してる ""










信じてみても……いいのかな…………










【借り物競争に出場する生徒は入場門に集合して下さい】






タイミングよく流れた放送。








「お、出番じゃんA」

「うん。」

「ふっか達と応援してるわ」

「ありがとう。…………ねえ、」

「ん？」

「もう一回……頑張ってみてもいいのかな……？」






何を、とは言わない。だけどナオは分かったのかニコッと笑い






「当たり前でしょ？」







もしそれで泣かされたら私たちが殴り込んであげる！って









ナオと友達になれて良かった。

38→←36

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す