藁をも掴む3 ページ31
(side Marco)
海賊船に女ひとり。捕虜を捕まえてくるような品のない奴らだ。どんな扱いをされていたのか、嫌でも想像がつく。
マ｢…そうか｣
膝を抱える彼女を少し眺めて立ち上がる。船内へと足を運びナースの集まる部屋へと向かった。
扉を叩くとナース長が顔を見せる。珍しいとでも言いたげに目が開かれる。
ナ｢あら？マルコ隊長、お怪我でも？｣
俺の能力を知っているはずの彼女。からかってでもいるつもりだろうか。
マ｢んなわけねえだろい。今、手ェ空いてるかい？｣
ナ｢ふふ、お誘いかしら｣
軽口を叩きつつ手は治療の支度を始める彼女。察しの良さからナース長は伊達ではない。
マ｢まあねい、ちっと甲板でお茶でも｣
まあ嬉しい、とクスクス笑いながら部屋から彼女が出てくる。こんな茶番を打つのも慣れたもので歳を感じた。
甲板までの廊下を歩きながら状況を簡単に伝える。
マ｢捕虜を連れ帰ったんだがよい、女が1人いるんだ｣
ナ｢あら、気に入った子がいたのかしら｣
マ｢うるせえよい…そいつの世話を頼みてえ。栄養状態も良くねえ｣
やせ細って骨と皮だけのような手足。コケた頬。あの様子を見れば黙っていてもナースたちが手厚く保護するだろう。
ナ｢…そう、わかったわ｣
何か察した彼女はそれ以上何も聞かなかった。
甲板につくとすぐに彼女は座り込んだ女に駆け寄って行った。優しく話しかけられた女は顔を上げる。ナースがそのまま顔色や手の色を見始める。
そんな彼女たちを遠巻きに見ていると隣にサッチが立っていた。
サ｢良い女だよなあ…ナース長｣
優しく手当するナース長にだらしなく鼻の下を伸ばすサッチ。
マ｢振られたんじゃなかったのかよい｣
この間酒を誘ってこっぴどく振られたと言っていたのを思い出す。
サ｢そりゃお前ェ！男が1度振られたからって引き下がれるかってんだ！｣
マ｢何度やっても同じだよい｣
振られる姿もすぐに違う女の尻を追っかける姿も想像がつく。
サ｢つくづく冷てえ兄弟だぜ…あ、そうだ、後であいつら食堂に連れて来てくれよ｣
あいつら、とはおそらく捕虜たちのことだろう。あんなに文句をたれてはいたが、この男も一端のコック。腹を空かせた奴を放っておけないのだ。
しかしなんで俺があいつらの面倒なんか…
サ｢お前が拾ってきたんだからな、しっかり面倒見ろよ！｣
嫌味ったらしくウインクを投げつけてサッチは船内へ消えていった。
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます！！過去編もうちょっとだけ続くと思われます！これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです！！ (2019年5月13日 23時) (
レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか！過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ！ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉…！感無量です！ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます！これからもどうぞお付き合いください！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください！続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…（;∀;）少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります！！これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います！ (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がまお | 作成日時：2019年3月15日 15時
