歓迎の宴2 ページ22
(side You)
呆れ顔の彼にシャンクスさんが肩を組み、コソコソと耳打ちし始めた。
シ「考えてもみろ、こんなヒョロっこい奴が俺たちをどうこうできると思うか?」
何やら失礼な事を言われている気がしないでもない。
ベ「…それもそうだな」
私の顔を一瞥し何やら納得したような表情で口元を緩めた。
シ「よし!誤解が解けた所で、ちっとこいつを借りるが、良いか?」
シャンクスさんは副船長さんの背を叩き、私の腕を掴み立ち上がった。腕を掴んでいた手が私の手の中のグラスへと伸びさらっていく。あっという間に空になったグラスを置いて腰が引かれた。
『ちょ、っと!』
流れるようなナンパな手つきに思わず声が出る。その声に反応した数人のクルー達がこちらを見て冷やかしの目を向ける。
ク「おうおう、お頭ァ!随分手が早ぇなあ!」
ク「そいつ病み上がりだろ?程々にしてやれよー!」
ゲラゲラと声をあげて笑いだしたクルー達。ちらりと覗けば副船長もその顔に笑みを浮かべていた。
シ「お前らそんなんだから色街でも相手にされないんだぞ」
茶化され呆れたシャンクスさんはそのまま私の腰を引いて船内へと歩き出す。さすがは立派な男の力だ。抵抗も虚しくされるがままに足を進めた。
シ「お前に見せたい物がある。来てくれるだろ?」
強引に連れ出しておいてこの発言は確信犯だ。
クルー達の冷やかしと笑い声を背に私達は船内へと入った。どこへ行くのかも分からずに暗い船内を連れていかれる。先程から腰に回った手が妙に気になってしまって歩きにくい。
『あの、逃げたりしないので、手を離してください』
シ「やーだね、離してやんねえ」
酔いが回っているのか、年甲斐も無く悪ガキの様な態度を見せるシャンクスさん。何を言っても離してはくれなさそうだ。
『歩きづらいんです!』
腰から離れない手をピシッと一つ叩く。「いってえ!」とようやく手を離した彼はなにやら不満顔だ。
シ「ったく、お前がそんなに手癖が悪い女だったとは……ほら、ここだ、開けてみろ」
不満顔のままのシャンクスさんが廊下に面した一室を指さす。
言われた通りドアノブに手をかけ扉を開くとその奥は
『…ここは…』
胸の高さほどのカウンターとそこに面して足の長い椅子が数脚。カウンターの奥にはちょうど酒瓶が並びそうな棚が設けられていた。
鼓動が早くなる。何か大切なピースが一つ埋まるような、そんな感覚。
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます!!過去編もうちょっとだけ続くと思われます!これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです!! (2019年5月13日 23時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか!過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい! (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ!ありがとうございます!とっても嬉しいお言葉…!感無量です!ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます!これからもどうぞお付き合いください! (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください!続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…(;∀;)少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります!!これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います! (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がまお | 作成日時:2019年3月15日 15時