報せ ページ13
(side Izo)
いつまでもこのまま腑抜けられては他のクルーに示しがつかない。新聞を下ろし上の空でコーヒーをすする長男様の隣に腰掛け背中を叩く。
イ｢ただでさえ親父の機嫌も悪いんだ。しっかりしてくれよ、長男。Aだって島でのんびり楽しくやるだろうさ｣
マ｢…ああ、そうだねい｣
どこか遠くを見て考え込んだマルコは弱々しく口元だけ笑って｢悪ぃな｣とこぼした。さすがの不死鳥も失恋の傷は中々消せないようだ。
傷心のマルコを慰めつつ夕食を取っていた頃、1人のクルーが血相をかいて食堂へと飛び込んできた。
ク｢マルコ隊長！大変です！｣
飛び込んできたクルーはいの一番にマルコの元へと駆け寄る。その顔は異常で食堂は一気に緊張の糸を張り巡らせる。
マ｢どうしたよい、親父に何か…！｣
ク｢いえ、それが、コノハ村の宿屋で人攫いが出たそうで…Aとラグナが、連れ去られたと…！｣
マ｢なんだと…？！｣
コノハ村とはAとラグナが船から下りた島だ。住む家を手配している間、2人は宿屋で過ごす事になっていた。そこへ人攫いが入り2人を攫って行ったというのだ。
Aはあんなしょぼくれた額だが、一応は賞金首だ。巷では手配書が売り買いされる程の人気もある。ラグナはまだ若くてあの見た目だ。オークションにでも売り飛ばすつもりなのだろうか。
マ｢…っ、クソ…その人攫いの情報は？｣
マルコの手が固く握られ怒りが滲む。自分があそこで下ろさなければ、と後悔しているのだろう。この状況となっては後の祭りだ。
ク｢昨日の明朝に漁村の人間が怪しい船を見かけたようで、島者に追わせようとしたのですが、島の近海で大きな嵐が発生しているらしく、追跡は困難だと！｣
あの島の近海は新世界の中でも気候が不安定な事で有名だ。そのため島内によそ者が入って悪さをするなんて事はほとんど無かったが、そこの裏をかかれたのだ。
マ｢チッ…、嵐が止み次第すぐに追わせろ。親父に伝えて航路を変更する！親父の部屋に航海士を呼んどけよい！｣
先程まで枯葉のようだったマルコが鬼神の如くクルーにテキパキと指示をし、さっと立ち上がって親父の部屋へと歩いて行った。
イ｢見違えちまったなぁ…｣
状況は決して良くない。しかしあの男が本気になれば何でも出来てしまうような安心感は長男である所以だ。
知らせを受けて数時間後にモビーディック号はかつての仲間を助けるため、島へと進路を引き返した。
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます！！過去編もうちょっとだけ続くと思われます！これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです！！ (2019年5月13日 23時) (
レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか！過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ！ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉…！感無量です！ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます！これからもどうぞお付き合いください！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください！続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…（;∀;）少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります！！これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います！ (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がまお | 作成日時：2019年3月15日 15時
