目覚め ページ18
(side You)
目が覚めると、そこは見知らぬベットの上だった。
小さな部屋には自分が横たわるベットとサイドチェストと椅子だけ。枕元の小窓から陽の光でキラキラと輝く水面が見える。どうやら船の上にいるらしい。
上手く体に力が入らず、何とか踏ん張り上半身だけ起き上がって部屋を見渡す。ごく普通の船の一室であまり手掛かりは無さそうだ。ふとサイドチェストの上に視線を向ける。そこにはどこか見覚えのあるロケットペンダントが大事そうに置かれていた。
手を伸ばしてそれを掴む。真っ赤に燃えるような宝石が1つ埋め込まれたそのロケット、よく思い出せ無いがいつでもポケットに入れていた気がする。よく手に馴染むそれには何か写真でも入っているのだろうか。
ペンダントを開けば小さな紙が1枚入っていた。
指先で摘み上げ手のひらに乗せると驚く事に、それはズズと独りでに動き出す。
『な、なにこれ…紙が勝手に…』
？｢おお、ようやく起きたか！｣
不思議な紙に驚いていると、紙が動き出した先から赤髪の男が現れた。左目に三本の傷があるその男はベットサイドに腰掛け、やけに馴れ馴れしく肩を抱いてくる。
？｢それにしても、島で倒れてるお前を見た時には驚いたもんだ！あのオヤジにとうとう捨てられちまったのか？｣
陽気に茶化すその男に見覚えは無く、男の話にも心当たりが無かった。状況が飲み込めずに思わず男の顔を凝視していると、ようやく異変に気づいた男が首をかしげる。
？｢ん…？どうした、元気が無いな…まさか本当に捨てられたのか？それなら悪い事を言っちまったな｣
『あ、の…ここは一体…？』
？｢ん？そうか、ここに来るのは初めてだな…ここは俺の船、レッドフォース号だ｣
自慢げに腰に手を当てた男。勿論ピンと来ない。
？｢安心しろ、あのオヤジに捨てられたのなら俺の船に乗ればいい。お前の為にこの船にもバーを作らせたんだ｣
バーという言葉に頭が反応する。はっきりとはしないが自分にとって大切な場所のような気がしてならない。私の為、という事はこの男とはどうやら面識があるらしいがどうしても思い出せない。
？｢それにしても元気が無いな…腹でも減ってるのか？それなら何か作らせよう、何が食いたいんだ、大した物は出せないが、うちのコックのメシは絶品だぞ｣
『…リンゴ』
頭に浮かんだのはどこかで見た立派なリンゴ。あの赤い輝きにかぶりつきたい気分だ。
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます！！過去編もうちょっとだけ続くと思われます！これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです！！ (2019年5月13日 23時) (
レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか！過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ！ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉…！感無量です！ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます！これからもどうぞお付き合いください！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください！続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…（;∀;）少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります！！これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います！ (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がまお | 作成日時：2019年3月15日 15時
