あ、黄金じゃない方のマンネです ３

STEP1 ページ13

SideJM


JK「.........っ！！」


キュ、と歯切れの悪いスキール音で振り返る。

真後ろでジョングガが立ち止まっていた。


「またか、ジョングギ」




ワールドツアーに向けての練習が始まった。軽く流れと動きを聞いた後でフリの練習に入ったんだけど、さっきから珍しくジョングガのミスが目立つ。

JK「...............すみません」


ほとんどうなだれるように頭を下げるジョングクの顎からは汗が滴る。明らかに集中できてないのは誰が見ても明らかだった。原因は、たぶん。


「A、最初からかけて」


先生がプレーヤー前のAに指示を出すと、手慣れた動作で曲を巻き戻した。


足が使えないAはもちろんダンス練習には参加できないから、音楽係として練習に参加している。


Aは僕らの背中側に座って練習を見ているんだけど、たぶん原因はそのA。


ジョングクは今日、一度も振り向いてない。


なんか元気がないなあ、と最初は思ってて、眠たいのかお腹空いてるかどっちかだろうと思って、昼になったら元通り、なんて思ってたのに、ご飯を食べてもテンションが低いままで。


おまけにみんなでご飯を食べてるのに、ジョングガは元気がないどころか、笑いもしなかった。



最初は気のせいかと思ってたけどジョングガはAと話さないし目も合わせないし。


思い出してみると、たしかにあの夜、Aとジョングギは仲直りした、とは言えなかったかもしれない。


あの時、ジョングガはAに謝ったけど、もしかしたらジョングガの中ではまだ整理がついてないのかもしれない。

今だって、Aは怪我して見学してるわけだし。


そのAに見られながら練習するのって、もし、ジョングガがまだAに対して罪悪感を持ってるならかなり.........。



僕自身、100％ワザと怪我させたんじゃないんだから、といって気にするなよ、とも言えないし。

だからといってここまで集中力を欠くのはっまた違うとも思う.......けど、なんていっていいかも分からなくて。


JK「っ！すみません！」



また同じミス。

普段のジョングガなら有り得ないミスだ。


JH「..............いい加減にしろよ、チョン・ジョングク！！」



ついに練習室に怒号が響き渡った。

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