Drunken Whale (ページ10)

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呑もう！7 ページ10

(side Marco)

続いてAはまた新たに半分以上が残っているブランデーを手に取る。今度はシェイカーに氷を詰め、ブランデー、ホワイトキュラソー、レモンジュースの順に入れ、シェイカーを閉める。小気味よく、流れるような手つきでシェイカーを振り、小さめのグラスにトップを外して注ぐ。

綺麗な琥珀色のその酒はサイドカーと言うらしい。

くっと一口飲み、｢美味い｣と伝えると嬉しそうに頬を緩めるA。流れるような手つきからは想像出来ないような愛らしさに、こっちまで頬が緩んできた。

マ｢ほら、作ってばっかりいねえでお前も呑めよい｣

『はい！いただきます！』

手早く自分にも1杯作り、今度は音を立ててグラスを合わせた。

Aのバーテンダーらしいアレンジと趣味の良いツマミのおかげでグラス、ひいては酒瓶がどんどん空いていく。ほとんど未開封だったウイスキーが2瓶空いた頃には俺達は上機嫌で歌い合ったりしていた。

(さすがに飲みすぎたよい…)

たまらず腰掛けていたベッド(いつ腰掛けたのかは覚えていない)にごろんと寝転べば、上機嫌で隣に寝転んでくるA。そこで俺の酔いは一気に冷めてくる。

『マルコ隊長、今日はとってもたのしかったです…ありがとう』

聞いたことないような甘い声で言ってのけるAはふにゃりと笑って、あろうことかそのまま瞼を閉じてしまった。

マ｢…勘弁してくれよい｣

仰向けになり目を腕で隠す。そんなことを言いつつ、無防備に寝息を立てるAから離れたくなくて、そのままぐるぐると理性を奮い立たせる。

落ち着いた頃には俺の方も眠気に襲われ、そのまま深い眠りに落ちた。

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サ｢おい！起きろ！いつまで寝てやがる！｣

次の日、昼近くまで寝ていた俺を起こしに来たサッチの声で目を覚ました。

Aはすでにいなくて、グラスや皿は綺麗に片付けられ、俺には毛布までかけられていた。

その日は一日中、激しい頭痛に悩まされた。非番で本当によかった。今日のところはバー通いも流石にセーブしておこう。

一方のAはというと、後から聞いた話ではその日のバーではずっと吐き気と頭痛をもよおしたAが1人でせっせと働いていたらしい。かなり悪いことをしてしまった。

(今度なにか土産でも買ってくるかねい)

事務仕事は明日に回して、今日のところは非番を存分に活用することに決め込み昨日のAを思い出すことにした。