Drunken Whale (ページ7)

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呑もう！4 ページ7

(side You)

夕食の仕込みもすっかり終わって、後はキッチンに任せれば何とかなりそうだ。非番とはいえ何かと世話を焼いていたら、休む間もなく日が傾いていた。

『早めにシャワーでも浴びようかな』

夕食をとるには少し早い。何より夜にはマルコ隊長との晩酌が待っている。やましい気持ちがある訳ではないが、人の部屋に上がるなら、少しぐらい綺麗にしていた方がいいに決まってる。

女性用のシャワールームは船内の奥の方、ナースさん達の部屋の隣にある。食堂とこのシャワールームは結構な距離で、初めの頃はシャワールームにつく時にはぐったりしていた。今ではすっかり慣れて

『…だはーっ！相変わらず…遠い…』

いるはずもなく。遠いものは遠いのだ。シャワールームにはすでに何人かナースさんがいて、毎度毎度息を切らして入ってくる私を見てクスクスと笑っている。

壁にもたれて息を整えていた私に、シャワーを済ませたナース長さんが声をかけてきた。

ナ｢あら、A！何？またバテてるの？｣

相変わらず体力無いわねぇ、なんて言いながらバシバシと背中を叩かれる。

『い、痛いです！』

ナ｢あなた、今日は非番なんでしょ？私たちと一緒に呑みましょうよ｣

ようやく叩くのをやめたナース長さんは、今度は私の髪を勝手に下ろして手ぐしで解き始めた。

『あ、今日は先約が…』

ナ｢あら、男でもできたの？｣

『お、男って、そういう訳では…』

恋の話が大好きなナースさん達は男と聞いただけでわらわらと集まってくる。誰？どこの隊？なんて声が上がる

『だから、そういうのではなくてですね！』

ナ｢わかった、マルコ隊長でしょ｣

『ぶっ』

不意をつかれて可愛さの欠けらも無い声が出る。なんて鋭い人だろう。

ナ｢あんたもやるじゃない、人気あるのよ、マルコ隊長って｣

『ほんとにそういうのではなく…ただ部屋のお酒が片付かないからお呼ばれしただけです！』

勢いに負けて言ってしまうと、ナースさん達は皆顔を合わせてぽかんとしている。

ナ｢あんたそれって…いや、やっぱりいいわ｣

呆れたように髪から手を離すナース長さん。他のナースさん達もクスクスと笑いながら離れていった。

ナ｢まあ、シャワーしっかり浴びて楽しみなさい｣

最後に優しく私の頭を撫でてウインクをしたナース長さん。そうだ、シャワー浴びに来たんだった。

お喋りしていたら時間はあっという間に過ぎてしまって、急いでシャワーを浴びて飛び出した。