Drunken Whale (ページ49)

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星空の下で2 ページ49

(side You)

その日の夕食は4番隊で釣り上げた魚が振る舞われた。久々の身のある魚にクルー達は大盛り上がり。4番隊も誇らしげだ。

バーも久々に開店すると馴染みのお客さんがなだれ込んで忙しい夜になった。

上陸の準備で忙しいのか、マルコ隊長は現れなかったが、私の仕事がはかどらないのでむしろよかったのかもしれない。

…そりゃあまあ、会いたいけどさ。

滞りなく営業も終了した。手早く片付けてバーを閉めた。島の上陸は明日、今日までの空き瓶を倉庫に持っていかなくちゃ。あとはこの瓶を運ぶだけで今日の仕事は終了だ。

甲板に出ると満天の星空が広がっていた。ここ最近とても天気がいい。新世界の海でこんなに安定した気候はほとんど見られない。

『すご…綺麗だなあ…』

どうせほとんど人もいない。星を見上げながら裏まで歩く。

『…いてっ』

マ｢…っと…危ねぇな、前見て歩けよい｣

ぶつかったのはマルコ隊長。前を見ず、ぶつかってしまった私に軽くチョップをかました。

『いてて…すみません』

マ｢こんな時間まで仕事かよい｣

あっという間に手元の瓶を入れた箱が奪われる。ほら、こういうスマートさが本当にズルい。

『明日、上陸なので…瓶をまとめておこうと思いまして』

そのまま箱を持っていくマルコ隊長に慌てて付いていく。隣を歩くと満足そうに微笑まれた。

マ｢熱心だねい、好きだよい、そういうの｣

不意の言葉に心臓が跳ねる。いや、いやいや、出たよ浮かれポンチ野郎。頭に咲きまくったお花をブチブチと抜いていく。

『…1番隊は、明日は…？』

苦し紛れに明日の予定などを聞く。自分でも言っていて見苦しい。

マ｢明日は船番だよい。Aは出るのかよい？｣

『はい、買い出しに出ようかなと』

マ｢そりゃまた、仕事熱心だよい｣

倉庫の前まで来る。引き戸を引くと｢ありがとねい｣と微笑んでくれた。また胸が苦しくなる。

瓶を運び、倉庫の扉を閉めるとマルコ隊長はすっと腕を伸ばして優しく私の頭を撫でた。

『な、あのっ…』

マ｢真面目なのは構わねえが、たまには遊びに降りろよい｣

まるで子供に言い聞かせるみたいな優しい声色が耳に響く。にっと吊り上げられた口角も、細められた目元も星空と一緒にきらきらきら

もう私にはどうしようもない、この気持ちをいくら押さえ込んだって、こんな風に触られると押さえ込んだ気持ちは簡単に私の周りを飛び回ってしまう。

ああ、ズルいなあ、本当に

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