Drunken Whale (ページ45)

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青い翼4 ページ45

(side You)

頬に水分が伝ってようやく自分が泣いている事が分かる。急に泣き出した私を慌ててなだめるマルコ隊長は先程の勇ましさから一転して途方に暮れている。

マ｢ほら、泣きやめよい｣

男らしく骨ばった親指で涙を拭われる。申し訳なさそうに微笑まれると心臓が止まりそうなくらいに早く脈打つ。

マ｢…ん？顔が赤ぇぞ、熱でも…｣

『だ、大丈夫です！大丈夫ですから！！』

堪らず顔を両手で覆って頭を下げる。

『本当に、守って頂いて、ありがとうございました！』

感謝を伝える…と言うよりは、こんな時に顔を赤くするおとぼけた自分を見られたくなくて、深く頭を下げる。

そんな私の頭に暖かくて大きな手が乗せられる。

マ｢そんなの、当たり前だろい｣

嬉しそうな声で言ったかと思えば、優しく撫でていた手が急にぐしゃぐしゃと髪を掻き乱す。

『わっ、ちょっと！』

びっくりして顔を上げると、マルコ隊長が仲間と飲んで騒いでいる時のような満面の笑みを浮かべる。

マ｢お前をうっかり傷つけちまったら、美味い酒が呑めねえって親父にぶっ倒されちまうよい｣

そのままぐしゃりとひと撫でし、腕を引かれて倉庫から引っ張り出される。よろけた私を支えて立たせるまでのその流れはいちいちスマートで、早い脈は一向に収まらない。

マ｢さ、早く中に戻れよい｣

トン、と背中を押されて表の甲板に向かわされる。振り返ると彼はひらひらと手を振っていつもの笑顔だ。

ああ、気付いてしまった。

そう思った途端に彼の何から何まで全部がキラキラと輝き出した。

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フラグ大回収機の主ちゃんでした！