Drunken Whale (ページ40)

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とある種4 ページ40

(side Marco)

Aを見てからどうにも体が言うことをきかない。その透き通る肌を撫でて、薄い肩を抱いて、吸い込まれそうな瞳を俺だけのものにしたい。

堪らず腕を引いて自室に連れ込み、小さな体を抱き締めた。少しでも力を入れれば壊れてしまいそうだ。

『ま、マルコ、隊長…』

マ｢悪い、もう少し…｣

腕の中でAが身じろぐ。今はどうしても離したくない。

抱き締めてAの鼓動を感じる程に、Aへの欲が湧いてくる。どうにも抑えられない。どうしちまったんだ。

サ｢おい！マルコ！お前ほんとに大丈夫か？｣

扉の向こうでサッチが声を上げる。扉がドンドンと叩かれどうにか頭を振って自制する。

やっとAの肩をゆっくり押して離す。

マ｢すまなかったねい…俺は、少し休むよい｣

一段と艶やかに見える髪をひと撫ですると、少し赤らめた頬でにっこり微笑んだA。

勘弁してくれよい…

俺が頭を抱えた頃に、耐えかねたサッチが部屋に押し入ってきた。俺の様子に勘づいたサッチは手早くAを廊下に押しやる。

サ｢使っちまって悪かったな、A！こいつのことは俺が見るから、バーに戻ってくれ｣

『でも、マルコ隊長、熱が…』

サ｢いや、いいんだ、Aが心配する事じゃねえ。ありがとうな｣

Aをなだめるみたいに言い聞かせて半ば無理やりバーに戻らせた。ふう、と一息ついてサッチが振り返る。

サ｢マルコ、今日はもう寝ろ、疲れてんだろ｣

マ｢……そうするよい、悪かったねい｣

ベッドに寝転がり顔に手をやる。Aが離れると途端に落ち着きを取り戻す頭と体にため息しか出てこない。敵船を沈めてから何か変だ。思い当たる節も無い。混乱する頭を無理やり鎮めて眠りについた。

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