Drunken Whale (ページ36)

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休日3 ページ36

(side You)

やっと食器が片付いた頃、日は傾いてそろそろ早めの夕食をとるクルー達がちらほら食堂に集まってきていた。

サ｢いやあ、助かった！非番なのにすまねえな、A！｣

サッチ隊長が皿を洗い終えた私にお手製のパンケーキを振舞ってくれた。冷たいアイスクリームと甘酸っぱいイチゴのソースをかけた特製パンケーキ。たぶんこれで私が非番をおねだりするのを阻止したのだろう。サッチ隊長にしては策士な一面を感じた。

『これに免じて許しましょう』

パンケーキには罪が無いので美味しくいただく。

サ｢ほんとに助かったぜ！ありがとうな｣

にっと笑ったサッチ隊長が私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。なんだかんだ言って憎めない人だ。

2人で世間話をしながらパンケーキを食べていると、マルコ隊長が私の上着と手紙を持って食堂に入ってきた。

サ｢おう！マルコ！Aならこっちだぜー｣

サッチ隊長の声にマルコ隊長が振り向きそのままこっちに向かってきた。

マ｢ありがとねい、A。それから、お前に手紙が届いてたよい｣

マルコ隊長は丁寧にたたまれた私の上着と、一通の手紙を差し出した。両手で受け取って手紙の宛名を見る。しかしそこには何も書かれていなかった。

サ｢誰からだ？｣

『それが、宛名が無くて…』

マ｢開けて見りゃ分かるだろい｣

封を切り手紙を広げる。

『これは…シャンクスさん？』

dearAから始まったその文面。島での樽事件への詫びの言葉と私の手配書を見て驚いたことなどいかにも普通の事が書かれ、手紙の最後までただの世間話というシャンクスさんらしい陽気な手紙だった。

サ｢なんだ、こりゃあ｣

マ｢わざわざ…暇なやつだねい｣

呆れる2人だったが、最後の一文を読んで目を丸くする。そこには

『いつか必ず、お前を迎えに行く。俺の仲間になれ。』

とサラリとした書体で書かれていた。

マ｢赤髪の野郎…舐めたマネしてくれるよい｣

サ｢また面倒な奴に気に入られちまったな、A｣

苛立たしげに手紙を見るマルコ隊長と呆れて私の肩を叩くサッチ隊長。

何だか胸がザワザワと波を立てる。波乱の予感がしてならないのはたぶんこの2人も同じだ。

シャンクスさんは一体何を考えているんだろう。やっぱりすごく不思議な人だ。

ーー

かくして私の休日はゴロゴロする暇もなく過ぎてしまった。追い討ちのシャンクスさんからの手紙を引き出しにしまって、その日は不貞腐れるように眠りについた。