Drunken Whale (ページ4)

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呑もう！ページ4

『』→貴方
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(side You)

ここは四皇、白ひげ海賊団のモビーディック号

の一角にある小さなバー、Drunken Whale

バーと言っても勿論お金は取らない、要は食堂のドリンクスペースみたいな物で、たまたま白ひげ海賊団に喧嘩をふっかけた敵船の捕虜だった私は、酒の目利きの腕を買われて、バーテンダーとしてこの船で仕事をしている。

今日もバースペースにはご機嫌なクルーや何やら悩ましげな顔のナースさん方がちらほら集まって、思い思いの時間を楽しんでいる。

(そろそろかなあ)

私の最近の楽しみ、それは

マ｢よい、お疲れさん｣

『あ、マルコ隊長！いらっしゃいませ』

数年前から毎日のように来てくれるマルコ隊長。バーを始めた頃から心配してよく来てくれる、とても面倒見の良い人だ。

更にはあるマズいお酒を探すという遊びも、私たちの間には存在していて、このバーのとびきりのお得意様と言っても過言ではない。

落ち着いた大人の雰囲気をまといながらグラスを傾ける姿はそれはもう、とてもとても…。

マ｢…そんなに見られると、穴が空いちまいそうだよい｣

マルコ隊長の一言で我に帰る。そうだ、お酒作らなきゃ！

今日もとっておきのマズい酒を用意したのだ。

『今日のはとびきり安っぽいですよ』

マ｢そりゃ楽しみだねい｣

選りすぐりのマズい酒をグラスへ注ぐ。差し出されたグラスをくるくると回して色を確かめ、一気に飲み干すマルコ隊長。緊張の瞬間だ。

マ｢確かにマズいが、こりゃあちっと度数が足りねえよい｣

『これもダメかー、難しいなあ』

美味い酒を探すのは案外簡単で、その目利きで食いつないでいる私にとって、とびきりマズい酒を探すのは少々難題だ。更に1人のためにお酒を調達しているなんて、所属する4番隊隊長の耳に知れた日には大目玉を食らうだろう。

賭け事のようなこの遊びだが、マルコ隊長も気に入っていてハズレた酒の残りもきっちり自室に持ち帰るほど律儀だ。

この遊びを続けて早１年、マルコ隊長の部屋には安っぽい酒がズラりと並んでしまっているらしい。

かの名高い1番隊隊長の部屋を私の選りすぐりマズい酒コレクションが圧迫しているのを思うと、いたたまれない。

『マルコ隊長、この残りは…』

マ｢ああ、貰ってくよい｣

気前よく貰っていくマルコ隊長。せめてもの罪滅ぼしに私はいつも瓶をピカピカに磨いてからマルコ隊長へ渡すのだった。

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続きます！