Drunken Whale (ページ1)

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Drunken Whale ページ1

『』→貴方
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(side Marco)

モビー・ディック号の食堂の隣

そこには四皇の巨大な船ならではの場所がある。

Bar Drunken Whale

その名の通り、俺が来た時にはすでに若いクルーが数人酔い潰れていた。

長らく空き部屋だったそこは、今や寝付けずにいるクルーが集まり、談笑したり物思いに耽ったりと各々が自由な時間を気ままに過ごす場所へと変わった。

かく言う俺も一人の時間を楽しみに、そしてそこの主に一目会うために来ていた。

『あ！マルコ隊長、いらっしゃいませ』

そう言って優しく微笑むのはこのBarのたった1人の従業員、バーテンダーのA。

マ｢よい、お疲れさん｣

『ふふ、だいぶお疲れみたいですね』

マ『まあねい』

白ひげ海賊団1番隊隊長の名に恥じない忙しい日々で、俺が腐らずにやっていけているのも単に親父への忠誠心、と言いたいところだが

｢そんなマルコ隊長には、とっておきのお酒、出しちゃいますね！｣

そう言って下の方から年季の入った未開封のワインボトルを掲げ、いたずらっ子みたいににんまりするA。

( 正直この笑顔が無ければ長男なんてやれたもんじゃないよい )

マ｢おいおい、そんな高そうなワイン、いいのかよい｣

『だって、マルコ隊長は特別ですから』

変わらないいたずら顔で言ってのけるAに、正直腹が立たないことも無い。

それを差し引いてもあまりある程に、俺はAに惚れ込んでいる。

今だって｢特別｣なんて、あいつからしたら客をあしらう常套句みてぇなもんだと分かっているのに、どうしても緩む口元を抑えられない。

『このワイン、前に降りた島でたまたま見つけて、ちょっと高かったんです』

流れる手つきでボトルの栓を抜き、綺麗に磨かれたグラスを音もなくカウンターに乗せる。

『だから、皆さんには内緒ですよ』

口元に人差し指を立ててこっそり呟くその姿。

マ｢ふふ、わかったよい｣

平静を装って傾けるグラス、水面に浮かんだのはだらしなく緩んだ頬と泳いだ目の情けない自分。

こんな年下の女ひとりに転がされる長男を見た日には、親父はきっと頭を抱えて呆れるんだろう。

舌を転がるワインの味を楽しめる程の余裕は無く、今日もただただ酔っていくばかりだった。

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ご覧いただきありがとうございます！

お酒は20歳になってから！