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降谷




「降谷くん、お休みなさい」

「おやすみ、笠崎」

「お前ら〜!!!」

昨日のやり取りを聞いていたのか、萩原と松田がからかってくる。

食堂に行く途中、彼らに会ったのが運のつきだ。僕を見るなり息の合ったコンビネーションを見せつけてくる。
そんな二人を見て湧き上がったのは羞恥心で、カァーと体温が上昇した。

そして二人を追いかけていると、廊下の突き当たりで大口を開ける笠崎さんを発見する。

「助けて、笠崎!」

萩原がまず笠崎の後ろに隠れる。

「降谷を撃ち殺せ」

松田が挑発する。

脚を止めると、笠崎は手で拳銃を作り僕に向け構えた。片目を閉じ、「バーン」と口にする。そしてフッと指の先に息を吹きかけ、スタスタと立ち去って行った。

「うぐっ」

まさかの不意打ちに僕はその場に蹲る。

「降谷ー!!!」

ふざけて叫ぶ二人。

この時、笠崎さんが

「高校生みたい」

と言っていたことは知らない。

朝飯を済ませ、座学の為教室に向かうと先に座っていた伊達が僕に手を合わせ頭を下げた。

「降谷、頼む!俺の頼みを聞いてくれ」

「…何だ?」

「笠崎の剣道、見てやってくれねえか?」

「良いけど何で?」

「実は実家に帰る用事ができちまって、おー丁度良かった笠崎!」

後ろを振り返ると、笠崎が居た。綺麗な顔が伊達を見上げる。

「何?」

「実は用事ができちまって、今晩は練習付き合えそうにねえんだ」

「一日くらい大丈夫」

「来週まで実家に戻るから、代わりに降谷に教えてもらえ」

「…え」

僕をチラリと見た。そして一歩、二歩と後ろに下がる。

「降谷くんはちょっと…」

「なんでだよ!笠崎、お前剣道はビリだろ?同期では降谷が一番強ぇんだから」

「それなら松田くんが…」

「あ?笠崎、もしかしてイケメン松田が好きなのか」

「違うわよ!松田くんは四位の成績だから」

松田ぁ!と伊達が呼ぶが、彼は腕でバッテンを作っている。

「何も言ってねえって」

「俺が教えようか?」

そう問いかけたのは何とヒロだった。

笠崎を見ると困った様子だったが、うんと首を縦に振る。

「その代わり高くつくよ」

「いいよ」



.

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世界の髪飾り(プロフ) - すっごく面白かったです…ありがとうございました! (2019年5月21日 20時) (レス) id: c72ec400e1 (このIDを非表示/違反報告)
四面楚歌(プロフ) - 完結、おめでとう御座います!楽しく読ませて頂きました! (2019年5月19日 9時) (レス) id: 0dcecdf2b2 (このIDを非表示/違反報告)
堰白(プロフ) - 完結おめでとう御座います、とても面白かったです! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 232eaea278 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - とても面白く見させていただきました!!ありがとうございました!!! (2019年5月18日 20時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐戦士(プロフ) - 美咲さん» とっても嬉しくて、何度も何度もこのコメント読んでました(笑)執筆頑張ります(^^)ありがとうございます(∩´∀`∩) (2019年5月9日 17時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐戦士 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年5月4日 20時

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