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警察学校で生活し三ヶ月、剣道を教えてもらうこと約一ヶ月。私の剣道の腕もみるみる上達し、女子ではトップの成績を納めた。

「ということで、笠崎!ゼロをデートに誘うんだ!」

諸伏くんに教えてもらった対価。

すっかり忘れていた私は諸伏くんから顔を逸らす。

「無理です」

「無理でもやる!俺がコサックダンスから剣道にしてやっただろ!」

「私に教えるのは無理難題だったのね…」

タッパーを返して以来、私は降谷くんと話していない。

松田くんや萩原くん、伊達くんとは話すが降谷くんとは挨拶すら交わしていない。というかろくに顔も合わせていない。

無理だという私をよそに、諸伏くんは話を続ける。

「花火大会が再来週の日曜にある」

「…」

「早く誘わないと取られるぞ!ゼロはモテるんだ」

…と言われても。

今日何度目かの溜息を吐く。

私は警察学校に遊びに来た訳じゃない。

色恋沙汰なんてしてる暇はない。

(次は座学、その次は訓練)

ほら、色恋の暇なんてない。

と、廊下で女性の声がした。見れば降谷くんも居て、女性二人と掲示板のポスターを見ている。

「花火大会だって。降谷、行かない?」

「う〜ん、どうしようかな」

「特訓ばっかだから偶には息抜きで遊ぼうよ」

「予定見てみるよ」

この会話に私の中で単純な思考が出来上がる。

デートに誘う→先約がと断られる→諸伏くんにはデートに誘うと言われているからデートまではしなくていい。

これよ!

これなら気まずい思いなんてしない。

「よし」

夕飯後、私は降谷くんが一人でいるチャンスを伺って降谷くんに話しかけた。

怪訝な顔をされるんじゃないかと思ったが、何?と優しく問いかけてくれる。

「暇なら、暇ならでいいんだけど花火大会に行かないかな〜って」

ポスターを広げて降谷くんに見せる。

断られると分かっても心臓がバクバクしている。

「行かない」

「え、」

「ごめん」

「あ、うん」

予定通り断られた。

諸伏くんの対価も払った。

これでスッキリする……はずなのに。

遠くなる降谷くんの背中を見ながら、私は人知れず涙を流した。



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世界の髪飾り(プロフ) - すっごく面白かったです…ありがとうございました! (2019年5月21日 20時) (レス) id: c72ec400e1 (このIDを非表示/違反報告)
四面楚歌(プロフ) - 完結、おめでとう御座います!楽しく読ませて頂きました! (2019年5月19日 9時) (レス) id: 0dcecdf2b2 (このIDを非表示/違反報告)
堰白(プロフ) - 完結おめでとう御座います、とても面白かったです! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 232eaea278 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - とても面白く見させていただきました!!ありがとうございました!!! (2019年5月18日 20時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐戦士(プロフ) - 美咲さん» とっても嬉しくて、何度も何度もこのコメント読んでました(笑)執筆頑張ります(^^)ありがとうございます(∩´∀`∩) (2019年5月9日 17時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐戦士 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年5月4日 20時

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