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夕飯を終え剣道の練習に行く前に降谷くんの部屋のフロアに私は立っていた。
今日は土曜日。外泊する同期は多く、いつも賑わうこの場所もガランとしている。大抵、仲良しな五人は此処に集まっているのだが、今日は居ない。
私は空のタッパーに視線を落とす。
綺麗に洗ったので返そうと思ったのだが…。
(腐る訳でもないし、今じゃなくても良いか)
ふっと溜息を吐き踵を返すと、後ろに居た人にぶつかりそうになる。
謝ろうと顔を上げると、そこに降谷くんが居た。
「あ、笠崎」
「ぐ、偶然ね」
降谷くんは目をパチクリさせ私の手のタッパーを見た。そしてクスリと笑い口元に手をやる。
「偶然ってその手のタッパーはなんだよ」
「ごめん、嘘」
「口にはあった？」
「すっごく美味しかった。どうやって作ったの？」
「秘密」
降谷くんは朗らかに微笑むと、人差し指を立て言った。
何その顔、ズルい。
「また作ってあげるよ。世界大会もあるだろうから差し入れに持って行く」
ジリジリと私は後ろに下がる。
嗚呼、ダメ。
そんな顔して笑わないで。
こうして話すだけで幸せなのに、恋人になりたいって図々しいこと考えちゃうから。
堕ちちゃうから、やめて。
「笠崎？顔赤いけど」
私に向かって褐色の手が伸びてくる。
あ、これヤバイ。
額触られるやつ。
私は咄嗟に持っていたタッパーを降谷くんに押し付けた。
「結構ですっ」
「え…」
「私、世界大会には出ないし。好きで練習してるだけだから！」
そして私は逃げるように降谷くんの前から立ち去った。
「余計なお世話、か」
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世界の髪飾り(プロフ) - すっごく面白かったです…ありがとうございました！ (2019年5月21日 20時) (
レス) id: c72ec400e1 (このIDを非表示/違反報告)
四面楚歌(プロフ) - 完結、おめでとう御座います！楽しく読ませて頂きました！ (2019年5月19日 9時) (レス) id: 0dcecdf2b2 (このIDを非表示/違反報告)
堰白(プロフ) - 完結おめでとう御座います、とても面白かったです！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: 232eaea278 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - とても面白く見させていただきました！！ありがとうございました！！！ (2019年5月18日 20時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐戦士(プロフ) - 美咲さん» とっても嬉しくて、何度も何度もこのコメント読んでました(笑)執筆頑張ります(^^)ありがとうございます(∩´∀`∩) (2019年5月9日 17時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐戦士
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月4日 20時
