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後ろのスタッフを見て終了時間だと気づいたのか、握ったままだった手が遠慮がちに動くので、ハッとして離すと、口が動いた。
『こ、ま、うぉ、よ』
と、言ったのだと気づいた時には、もうその子はスケッチブックを持ってホソギヒョンのところに行ってしまった。
俺の目の前からアルバムを持って行こうとしたヒョンが、俺のサインがないことに気づいて肘で小突いてきたところでやっと、周りの音が戻ってきた。
わいわいした、ちょっと湿っぽい空気。
急いでサインを書いて渡すと、次の、すでに目の前に来ていた女の子が目に入った。あれ、この子、デビューした時からファンだった子だ。
日本人だって聞いてたから、今日もありがとう、と日本語で言うとホソギヒョンの方を指差して、「友達と一緒に来たんだよ」と言った。
じゃあ、あの子も日本人だったのか。
ホソギヒョンはその子のスケッチブックを見てすぐに、オーケーマークを指で作って、手遊びを始めた。
安心して、それからはもう俺も目の前の子に集中して、話を聞いてサインを書いた。被り物はトラだった。
握手会が終わって、ナムジュニヒョンが挨拶をして、俺たちは入ってきたときと同じように列になって、舞台からはけた。
舞台裏でも楽屋でも、まだアミたちの声は聞こえてきて、あの子と見つめあったときの、柔らかい静けさはどこを探してもなかった。
「ね、ジョングガ」
「何ですか、ヒョン」
「あの子、あの、耳の聞こえない子」
「ああ、はい」
「どうだった？」
「どうだった、って........スケッチブック見て、これほんとかな？って思いましたよ、最近そういう人多いから」
「うん」
「そしたら、なんか多分、疑ってるのバレちゃったんですよね。その人、髪を避けて見せてくれたんです」
「耳を？」
「はい。耳になんか、肌色の機械ついてて。あーごめんなさい、って謝りました」
「お前顔に出やすいからなあ」
横からホソギヒョンも入ってきた。
耳の聞こえない子が来るのは珍しいから、みんな印象的だったみたいだ。
「俺は筆談がいいかなって思って、その子のスケッチブックでちょっとお話ししたよ」
楽屋のソファに座って携帯をいじっていたジミンも話に加わる。
「どんな話？」
「普通のことだよ。その子、字書くのゆっくりだったし、長い話はできなかった」
「.....................そんな子、いた？」
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みうみう(プロフ) - 途中で何度か泣きそうになりました。ふたりの続きが読みたいです！公開される日を待っています (2022年12月18日 14時) (
レス) @page50 id: 1630532606 (このIDを非表示/違反報告)
さちか(プロフ) - 初めまして！すごく面白くて一気に読んでしまいました！パスワードはどうしたら教えていただけるのか知りたいです！お願いします！ (2022年1月4日 17時) (レス) id: 5256a55c8d (このIDを非表示/違反報告)
みらの(プロフ) - すみません！誤字りました！気になるのですが、パスワードってどうやったら教えていただからのでしょうか？ (2021年10月25日 22時) (レス) id: 5afcca0842 (このIDを非表示/違反報告)
みらの(プロフ) - こんにちは！凄く面白くてすぐ読んでしまいました！続きが鬼になるのですがパスワードを教えていただいてもいいですか？ (2021年10月25日 22時) (レス) @page50 id: 5afcca0842 (このIDを非表示/違反報告)
Dtpnjtwtvmt(プロフ) - 続編がパスワード……オーマイガーどうしよう (2021年10月12日 2時) (レス) @page50 id: e5b6025cac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すばる | 作成日時：2020年7月2日 18時
