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Side RM
夜になって、夕飯も済ませて風呂の順番待ちをしていたら、Aが帰ってきた。
流石に少し疲れた様子だが、メイクを落とした顔でもやっぱり綺麗で、同じ人間という事実が信じられないほどにきめ細かい肌が表情と不釣り合いに艶めいている。
いや、疲れて伏し目がちな表情もいっそ悩ましげで雰囲気は抜群にあるから、ああやっぱりこの子は綺麗なんだなあと、玄関からふらりと入ってきただけで一緒に暮らす自分でさえため息が漏れそうだった。
RM「A。お帰り」
『あ、もにひょん!ただいまです』
こちらに気づくと顔を上げて笑顔になった。
RM「撮影どうだった?」
反応からしてそこまで悪くなかったんじゃないかと、今日一日実は気が気でなかったことは隠して聞いてみる。
『うーん.......どうだろ、とりあえず怒られはしませんでした!』
RM「そ、そうか......」
なんとなく予想はしていたが、緊張感も評価に対しての興味もなさそうな返答に脱力する。
『あ、でも今日は何話分か撮ってきたので、ダンスの練習は休まずすみそうです』
Aにとってはダンスの練習に出れるかどうかの方がよっぽど大事なようだ。
RM「またライブもあるしな。俺もダンス頑張らなきゃ」
新曲を出して音楽番組に出て、バラエティも慣れてきたかと思えばもう次の曲。覚悟はしていたけど、やはりデビュー前に考えていたアイドル像よりハードだ。
『僕もラップできたらよかったのに。ダンスも不安だけど、ボーカルもかなり頑張らなきゃです』
RM「Aのラップは何言っても可愛いんだもんな」
デビュー前、Aにはラップパートの割り振りもあるにはあった。歌がダメでもラップなら、という至極単純な理由だったが、事務所も必死だった。それで実際試したAのラップはなんだか......可愛いのだ。それも頑張れば頑張るほど。
『僕には精々“可愛い”が限界ですよ』
RM「それがAのいいとこだろ」
JH「あれ、Aおかえりー?」
『ただいまです、ホビヒョン』
風呂上がりのホソガがまた今日の撮影はどうだったかと聞くから、会話から抜けて風呂に向かった。
僕には精々“可愛い”が限界。
なんとなく返してしまったけれど、今になってその言葉がやけに頭に残った。
Aはいま、どんな気持ちでここにいるんだろう。ジミンとの一件で、Aが自分の力不足を認めていることはわかった。そしてそれが簡単に埋められないものだということも。
Aは今、どんな気持ちで防弾少年団にいるんだろう。
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watanuki - すばるさん» まだ始まったばかりだけど、採用していただきありがとうございます!もうワクワクが止まらない笑笑 (2019年7月23日 19時) (レス) id: 398ac4b0d3 (このIDを非表示/違反報告)
すばる(プロフ) - watanukiさん» リクエストありがとうございます!女体化楽しそう....! (2019年7月22日 13時) (レス) id: 7eb248740d (このIDを非表示/違反報告)
watanuki - リクエストいいですか?主人公が女体化する内容が見てみたいです(?)。あと、このお話ものすごく楽しませてもらってます!あ、その女体化した時の身長はジミンちゃんくらいがいいです。170近く?まあ超えるくらいがいいです。よろしくお願いします! (2019年7月22日 7時) (レス) id: 398ac4b0d3 (このIDを非表示/違反報告)
すばる(プロフ) - (名前)さん» 早速ありがとうございます!演技のお話考えてみますね!! (2019年7月15日 23時) (レス) id: 345011fa2c (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - やっぱり演技の話見てみたいです! (2019年7月15日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すばる | 作成日時:2019年5月21日 23時