3 ページ5
SIDE JK
言ってしまえば、Aは何もできない。
ダンスはヘタだし、歌も、声は綺麗なのに上手くはない。でも努力してないわけじゃなくて、自主練習もきちんとやってるのは知ってる。でも一向に上手くならない。Aはもちろんオーディションでここまで上がってきたけど、Aより上手い人は沢山いた。
俺と同い年のA。俺より身長は7センチ高くて、俺より体重は軽い。見れば見るほど、身体も顔も、アイドルになるために、愛されるために生まれてきたみたいに作られてて、初めて会った時はいっそ引いたぐらいだ。オーディションでも、どんなに歌と踊りがパッとしなくたって、あの顔と身体だけでAはメンバーの座を勝ち取ってきた。
才能。もって生まれたもの。Aはきっと今までの人生、それだけで生きてきたんだ。パンPDは、Aについて一言、君はもってるね、と言った。それはオーディションの途中の、本当に不意に発された呟きのような言葉だったけど、それはAを表す、きっと全てだ。美しさという才能の塊。ナムヒョンは、Aのことを「美しさの擬人化」って言った。ほんとうにその通りだと思う。「美しさ」がもつ、いいところも悪いところも、その通りに。
『ジョングギー、コチュジャンとって』
JK「……ん、」
食卓の正面に座ったAを眺めていたら、つい難しいことを考えてしまう。Aの顔はいつ見たって綺麗だし、見つめているうちにこっちの思考がふわふわ飛んで行ってしまう。俺だけじゃなくて、きっとみんな。
『なあに、僕に見惚れてたの?それ楽しい?』
JK「…っ別に、……鼻についてる」
『え、うそどこ』
JK「嘘」
『やー、なんだよグギ』
JH「はは、A本当についてるよ」
『え、何ですかもう、騙されませんよ!』
RM「いや、ほんとほんと、ほら」
『えー、うわ、本当だ…なんだよもうー』
Aは自分が綺麗なことを当然自覚してて、その恩恵を当然のように受け入れて、利用する。そんな飾らないAの性格もひっくるめて、結局みんなAが好きだ。Aがどこまで自分の実力を正しく評価しているのかは流石に聞けないし、言えないけど、Aがここにいる理由は全員が認めてる。
今までは、そうだった。
1965人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
watanuki - すばるさん» まだ始まったばかりだけど、採用していただきありがとうございます!もうワクワクが止まらない笑笑 (2019年7月23日 19時) (レス) id: 398ac4b0d3 (このIDを非表示/違反報告)
すばる(プロフ) - watanukiさん» リクエストありがとうございます!女体化楽しそう....! (2019年7月22日 13時) (レス) id: 7eb248740d (このIDを非表示/違反報告)
watanuki - リクエストいいですか?主人公が女体化する内容が見てみたいです(?)。あと、このお話ものすごく楽しませてもらってます!あ、その女体化した時の身長はジミンちゃんくらいがいいです。170近く?まあ超えるくらいがいいです。よろしくお願いします! (2019年7月22日 7時) (レス) id: 398ac4b0d3 (このIDを非表示/違反報告)
すばる(プロフ) - (名前)さん» 早速ありがとうございます!演技のお話考えてみますね!! (2019年7月15日 23時) (レス) id: 345011fa2c (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - やっぱり演技の話見てみたいです! (2019年7月15日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すばる | 作成日時:2019年5月21日 23時