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不思議な感覚 ページ1
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偶然だったのか、必然だったのか。
・
もう嫌だ。
何もかも辞めてしまいたい。
…あのクソ上司。
『飲み過ぎとちゃいますかー？笑』
なんて聞いてくるのは、このBARのマスターの丸山さん。
「飲まないとやってられないです。」
ってもう一杯頼もうとしたら、
丸山「今日はもうおしまい」
そう言われた。
「…」
丸「おやすみー」
ニコニコしながら手を振られたから、軽く睨んでから私も手を振り返し店から出た。
・
「…さむ、」
少し肩を竦めて歩き出した。
冷たい風が私の肌を撫で、力強い歌声が耳に入ってきた。
いつもなら路上ライブしてるんだ、そうとしか思わないのに。
私の脚はその人集りの中に入って行っていた。
姿は見えないけれど、ビブラートの効いた声が私の胸に響いた。
鼓膜が震えるような、不思議な感覚。
私は、時を忘れるほどこの人の歌声に聞き入っていた。
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作者名：すばばん | 作成日時：2018年11月11日 10時
