現実で恋愛しないバレー大好き系女子、助けた子に裏切られました。【ハイキュー!!】

お前にも、負けねえ ページ9

「……ん、大沼…さん……??」



掠れた声で私の名前を呼ばれた。

……あれ、この声は。



「……あれ、夜百合…だよな、久しぶり」


「え、えぇ……？お前…えぇ…??」


「お前森然行ったんだな。バレー部なんだ」


「いやあの、そう……なんだけど…んん!!?」



まだ状況飲み込めてないっぽい。

そういや、席が連続五回くらい隣になったんだよなあ。懐かしい。



「私は音駒の臨時マネージャー。

あと、苗字プラスさんって死ぬほど嫌いだって言うの忘れてたね、ごめん。

苗字でいいよ、夜百合」


「あ、そうなんだ……ごめん、大沼。

俺も夜百合だと言いにくいから彼方でいいよ」



やっと状況が飲み込めたってとこか。



「おい彼方!!飯食って寝るっつってんだろ……

って…、羽生…!!?んでここに…!!」


「あ、翡翠君も森然だったんだー!!久しぶり!!

私はね、ご飯ぜんっぜん作れないAに変わってご飯作り手伝いに来たんだ!!」



……あれ、この調子で行ったらあの子も……？



「…ぁえ!!?あの、っ、その…深海さ…っ!!?」


「……ぇ、邑…!!?」



当たった。ルイの初恋の人だ。

もしかしたら今も好きなんじゃねえかっつー。

……わあ、大集合。寝たい。



「……夜百合…じゃねえや、彼方。

お前いつ東京行ったの」


「あー…中三の冬。受験間近の時に」


「マジか」


「それと、今度苗字で呼びそうになったら…、」



ぐい、と顔を近付けられた。

後ろに仰け反りそうになったが、いつのまにか腰に手を添えられていて。



「______.....キス、するから。

俺、まだ大沼のこと好きだからさ」


「……??…………はっ、えっ、はぁ!!?」



情報多すぎて頭がパンクしそうだ。

顔が熱い。

待って、二次元以外でこんなに惚れやすかったっけ。

いや、それ以前にコイツキャラ変わってね!!?

私も大概だけど、絶対変わってる!!



「……顔真っ赤。脈アリってことでいい？」


「な、ッ、ダメに決まって…!!」


「〜ッ!!Aは!!」



手を引かれる。



「Aは、おれのもんだ!!」


「…しょう、よ……」



ぎゅーっと首に巻きついて離れない。

……ッ、ああもう…恥ずかしい…!!



「……翔陽、ありがたいんだけど、あの……

私は誰のものでもないです……!!」


「…俺さ、前告白した時にもう諦めようとか思ったんだけど、無理っぽい。

だから当分諦めねえ。…お前にも、負けねえ」



翡翠を連れて去って行った。

……やばい、顔あっつい。

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