現実で恋愛しないバレー大好き系女子、助けた子に裏切られました。【ハイキュー!!】

お姉ちゃんのニュース ページ47

さて、食べ終わったことですし中庭へ行こう。

昨日約束したけど、ある子はいるかな。

二時間ぐらいで済ませること、と言われながら病室を出た。



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絵を描いていると、隣に誰かが座る気配がした。



「…おー、童。来てくれたのな」


「うん。ニュースで話題になってる人と話せる機会ないし」


「……まあそうだわな。

ところで童、好きなマンガは？」


「うーん……『かくがくしかじか』」


「小学生が読むもんじゃねえな。だが私も好きだ」



なんだ童、お前絵描くのか。

ゲームは、と聞くとモンハンと返ってきた。

早速フレンドになったぜ。

パズドラもやってるそうなのでこちらも。



「……童、お前はなんで病院にいるんだ」


「…僕ね、治んない病気なんだ。

小さい頃からずっとここにいる。

お母さんとお父さんは死んじゃってるから、お金持ちのおじいちゃんとおばあちゃんにお金出してもらってる。

余命はまだわかってないけど、結構長い。

痛みとかはないけど、少しずつ確実に体を蝕んでいく。

暇だから病院のことなら大体知ってるよ」


「私は後何ヶ月かここにいたら退院だ。

…そうだ、私が退院したら、『春高バレー』っての見にいく予定なんだわ。

まあ、宮城の方なんだがな、お前が外出許可取れたら一緒にそれ見に行こうや」


「…バレー？」


「そうそう。本気のバレーはすげえぞ。

ギュンッってボールが移動して、ズパンッってボールが床に打ち付けられる。

そのボールを床に落とさないために多くの人が策や体を駆使して動きまくる。

走って飛んでレシーブして、また走って飛ぶ」



バレーボールを手に持ってそう説明する。

童はふうん、と言って、続けてこう言った。



「お姉ちゃんはバレーが大好きなんだね。

目キラキラしてて、楽しそうだった」


「…あらら、そんなわかりやすかった？」


「うん。お姉ちゃんはもうやんないの？」


「……遊び感覚ではやるけど、もう本気ではやらないかな」


「人を信じられなくなったから？」



そうそれ。

さすが童、ニュース見てるだけはあるな。



「お姉ちゃんのニュース、すっごい興味深かったからノートにまとめてあるんだ」


「偉いな童。私そんな面倒なことしねえな」


「僕の病室来る？見せてあげる」


「……行こうかな。

今日もう戻んなきゃいけねえから無理だけど明日行く。病室どこ？」



場所を教えてもらい、その日は別れた。

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