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照れ隠し ページ5

結果、私達のBチームの勝ちだった。

約三十分の休憩の後に二年のAチームと試合だそうだ。

私はタオルで汗を拭きながら、壁の側に腰を下ろし静かに試合を見ている深海に近付いた。



「…なあ、深海」


「……なに、大沼」



名前を覚えてくれたことに少し驚く。

んー、いや…などと言葉を濁しつつ、深海の隣に座る。



「…今週の土曜さ、練習試合あるじゃん?

その日、時間ある時にでも一緒に男子の練習試合見ねーかっつーお誘いなんだけど」



手に持っているドリンクの容器を見つめながら返答を待つ。

その際に、深海を見てみた。



「…!!」



深海は、小五以来見たことがなかったキラキラした顔でこっちを見ていた。

それに思わずたじろいで、でもそれを悟られないように深海に再び聞く。



「…行く?」


「いっ、行く!!行きたい!!」



今までのあの真顔はどこへ言ったのか。

いつも笑顔で、表情豊かな人にしか見えないキラキラした顔で頷いた。



「…なあ、深海。ごめんな。

小五ん時、あんな無神経なこと言って」



深海の髪が、瞳が好きだと言ったこと。

私がそう言った時、深海は否定した。

でも、それでも私は良いと言ったんだ。

そしたら、深海は怒って、私を突き飛ばした。



『ふざんなよ!!私は嫌いだったってんだ!!

…っはは…ほら、気持ち悪いだろ!!?』


『ッ、笑うなよ!!苦しいんだろ!!?

本当は嫌なんだろ!!?』


『…ッるっせえ!!』



無理に笑う奴の気持ちは痛いほどわかる。

自分がそうだったから。

そのあとは、あまり深海に関わらないようにした。



「んー?いや、私はそんな気にしてねえよ?

私の髪色とか瞳とか好きっつってくれたの嬉しかったし。照れ隠し。

…どっちかっつーとその後避けたのが精神にきたかなあ」


「あー…関わんないほうがよかったかなって…

…すまん」


「いーよ、これから仲良くしてくれりゃ」



…照れ隠しかよ。わかりずれぇよ。



「…名前でいい?」


「んー?いいよ、小五ん時もそうだったし」


「じゃ、A。お前さ、まだ人信じらんない?」


「うん、すぐには無理」



特に隠すことでもないので言うが、小六の時。

とても仲良くしていた子に急に無視され、それをきっかけにするように周りは私をいじめた。

ただ、恋李とルイが側にいてくれた。

私は最初、恋李達が黒幕なんじゃねえかと思ったが、普通にクラスの裏ボス的な女子が黒幕だった。

それ以来私は人を信頼できなくなっていた。

エース→←了解しやしたぁ!!



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スアール - うおおおお!!?えっえっえ、ありがとうございます!!!頑張ります!!コメントありがとうございます!! (2018年11月24日 20時) (レス) id: c6bafc7d26 (このIDを非表示/違反報告)
るなポン酢(プロフ) - 此処まで一気読みしてきました。 もう目から水スプラッシュしそうな位感動しました!更新頑張ってください! (2018年11月24日 17時) (レス) id: bc89a1b0c1 (このIDを非表示/違反報告)
スアール - 蜜柑さん» ありがとう!頑張るよ! (2018年11月11日 20時) (レス) id: c6bafc7d26 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 続編おめでとう!!更新頑張ってね^ ^ (2018年11月11日 20時) (レス) id: 97574853b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スアール | 作成日時:2018年11月11日 20時

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